ハンターが虎を捕まえにいく。ハンターは米国の最精鋭捜査当局、虎は世界サッカー界の皇帝ゼップ・ブラッター国際サッカー連盟（ＦＩＦＡ）会長（７９）だ。双方ともに真剣勝負だ。劣勢になれば致命傷を受ける。

２７日（現地時間）、ＦＩＦＡの腐敗容疑に対する捜査を発表するニューヨーク・マンハッタンの記者会見場。リンチ米司法長官、米連邦捜査局（ＦＢＩ）のコミー長官が登場した。その隣に金融および脱税捜査を担当する米国歳入庁（ＩＲＳ）犯罪捜査局のウェバー局長が立った。３人の同時出席は異例だ。初の黒人女性司法長官となったリンチ長官はまだ就任１カ月しか経っていない。今回の捜査の結果に司法長官としてのリーダーシップがかかる。

相手のブラッターは大統領に劣らない権力を享受してきた国際的な大物だ。１９９８年にＦＩＦＡ会長に就任して以来１７年間、数多くの腐敗スキャンダルがあったが健在だ。大きな業績もある。低開発国にサッカーを普及させ、ワールドカップ（Ｗ杯）の興行でＦＩＦＡを国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）並みにした。


今回、不正容疑で起訴された１４人のうち９人は米国大陸のサッカー行政家で、５人は９人に賄賂を渡したり、それを約束した容疑を受けているスポーツマーケティング会社だ。米検察は、ＦＩＦＡ本部はスイスにあるが、賄賂を米国で話し合い、米国の銀行を通じて金銭がやり取りされたため、米国の税法や金融機関規制法上、米国の法廷に立たせるのに問題はないという立場だ。

控訴状は衝撃を与えている。賄賂でＷ杯を誘致するという噂が事実という点が明らかになった。ジャック・ワーナー元ＦＩＦＡ副会長らは２０１０年Ｗ杯の開催地選定過程で南アフリカから１０００万ドルを受け、結局、南アフリカに賛成票を投じたということだ。パリのホテルの部屋で札束が入った書類がばんが伝えられたりもした。ワーナーに南アフリカが提示した金額の１０分の１の１００万ドルを提示したモロッコは脱落した。

ＦＩＦＡ会長の選挙戦もお金で汚れた。２０１１年に選挙に出馬したある人物は、サッカー界の関係者を集める見返りとしてワーナーに３６万ドルをオンラインで送金した。ワーナーは同年５月、カリブ海サッカー連盟（ＣＦＵ）関係者を集め、行事が終わった後、出席者に現金４万ドルが入ったお金の封筒を渡した。ワーナーはすべての容疑を否認している。



米司法長官、「ＦＩＦＡマフィア」との戦争を宣言（２）