１９９９年の韓・米犯罪人引渡条約締結以来初めて、韓国政府が米国から犯罪人の身柄を引き取った。

法務部は１１日、９８年に３０億ウォン余りを横領して米国に逃亡していた韓（４３、自動車部品会社社長）某氏を、同日午後の航空便で韓国に連れてきたと発表した。


法務部は昨年４月、米国側に韓氏の身柄を渡すように要請し、米捜査当局は５月ロサンゼルスで韓氏を逮捕した。米国の裁判所では先月、韓氏を韓国政府に引き渡すようにとの判決を下した。


これとともに法務部では、９４年に詐欺罪で起訴され、豪州に逃亡中だった孫（５０、女）某氏の身柄も豪州政府から引き取った。

法務部側は「米政府が初めて犯罪人の身柄を引き渡したことを契機に、米国側に犯罪人の引き渡しを要求する犯罪人引渡請求を増やしていく計画だ」と語った。韓国は現在、米国、豪州、カナダ、ブラジル、アルゼンチンなど１５カ国と犯罪人引渡条約を結んでおり、日本・ロシアなどと条約の締結を進めている。

だが、海外に逃亡した犯罪人が韓国に送還される実績は、まだ非常に少ないと指摘されている。

一方法務部は、米国で２７１年の実刑宣告を受け、韓国に逃亡中の姜（３２）某氏の身柄を、まもなく米政府に引き渡す予定だ。