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米国務長官の突然のTHAAD発言…色あせた「友人ビョンセ」援護

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
序論と本論は完ぺきだった。問題は結論だった。ケリー米国務長官の1泊2日の訪韓がそうだった。

韓国外交部は18日、ケリー長官の発言に笑って泣いた。午前の韓米外相会談は気分よく始まった。外交部17階の会談場に入ったケリー長官は「私の友人、ビョンセ(Byung-se,my friend)」という言葉で尹炳世(ユン・ビョンセ)外交長官を笑顔にさせた。共同記者会見の雰囲気はさらによかった。韓米同盟を強調する「光が漏れる隙もない(no day light)」という表現に「顕微鏡(microscope)で見ても隙間が見えない」という修飾語までが付いた。

慰安婦問題から日本の集団的自衛権の行使まで、かゆいところにも手が届いた。慰安婦問題では米国務長官では初めて「日本軍」という表現を使い、日本の責任を明示した。集団自衛権も「韓国の同意が絶対に必要だ」とし「明明白白(crystal clear)」と述べた。あたかも韓国外交危機論で苦境に立たされた「友人ビョンセ」を救いに来たようだった。


記者会見が終わった後、外交部の雰囲気はよかった。安倍晋三首相の訪米後、「日米新蜜月関係」が浮き彫りになり、精神的な苦労が多かった。ある当局者は「その間、我々が説明しても聞かなかったが、ケリー長官が話すとようやく信じられた」と言うほどだった。韓米同盟が日米同盟に劣らないということ、歴史問題で米国は決して日本の肩を持たないという説明だった。

問題はその後だった。訪韓の最後の日程で龍山(ヨンサン)米第8軍に行ったケリー長官が「北朝鮮の挑発のために高高度ミサイル防衛(THAAD)体系などを話す」と述べたのだ。THAADを全く取り上げなかったケリー長官だったため、唐突だった。精製されない発言をして非難を受けることもあったケリー長官だったが、今回は時期が絶妙だった。韓国国内で水面下に沈んだTHAAD論争に再び火をつけたのだ。

外交部は非常事態となった。担当の記者に「両国間にTHAAD配備の議論はなく、ケリー長官の表現は『米国内部』を意味する」という説明を入れた文字メッセージが発送された。夜11時ごろには在韓米大使館側から出た釈明資料も発送された。THAAD発言をケリー長官が意図的にしたのか、それとも何気なくした発言なのかは今でも分からない。

しかしいつも米国当局者の言葉に大騒ぎしなければいけない状況自体が引っかかる。ケリー長官の慰安婦発言と韓米同盟発言は半日も経たないうちに色あせた。

ある外交部の当局者は「気分がよい」共同記者会見の後、「外交は一喜一憂してはいけないものだ。今はよくてもいつ状況が変わるか分からず、見守らなければいけない」と述べた。結果的にケリー長官の訪韓はこの当局者の言葉通りなった。韓国外交の危機管理ノウハウを信じたかったが、後味は苦いものになった。



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