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【時論】『アベンジャーズ2』はソウルが格好良く映っていなかった?(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
昨年4月、ソウルの麻浦(マポ)・清潭(チョンダム)大橋、江南大路(カンナムデロ)、上岩洞(サンアムドン)・DMCエリアはある映画の撮影現場を見物するための群衆で溢れかえった。その映画は『アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン』(アベンジャーズ2)だった。ハリウッド・ブロックバスター初のソウル上陸作戦は成功裏に行われたようだ。

1年後、『アベンジャーズ2』は華麗に帰ってきた。封切り前から97%に肉迫する歴代最高の前売り率を記録すると歴代外国映画の最高観客数に向かって突進している。

なかなか崩れなかった2010年の『アバター』の興行速度に追いつくほどの「クイックシルバー」(アベンジャーズ2に登場する新しいキャラクター)級の超スピードだ。


このような興行の勢いの原因は何だろうか?まずは『アベンジャーズ2』に出演するキャラクターのネームバリューを挙げることができる。2つ目はこの映画の中にソウルが出てくるという映画のような現実だ。この映画を見た多くの韓国観客のうちにロバート・ダウニー・Jr(アイアンマン役)がソウルにいるドクター・ジョー(キム・スヒョン)に連絡してみろという台詞にドキッとしなかった人がどれ程いるだろうか。

興行の突風と共に『アベンジャーズ2』は政府が発表した観光効果やロケーション・インセンティブ支援事業を巡って論議がおきている。映画を見た後、多くの人がポータルサイトで東欧の仮想国家である「ソコヴィア」を検索してみただろう。同じように今この時刻、世界各地で「セウル」を検索しているだろう。これよりも効果的にソウルを知らせるPPL(映画・ドラマの中の間接広告)があるだろうか。ある者はみすぼらしいソウルのイメージや色とりどりの看板ばかり見せてがっかりしたと言う。しかし、映画の中のニューヨークも自由の女神像やマンハッタンの超高層ビルの森のイメージばかり登場するのではない。個人的にはヒスパニック系が運転する黄色いタクシーやブルックリンのみすぼらしい裏路地、ガタガタ音を立ててきしむ古びた地下鉄も思い浮かぶ。みすぼらしい裏路地や色とりどりな看板も私たちのソウルが持っている、また違った魅力なのだ。

一部ではソウルの様子が格好良く出てこなかったのにロケーション・インセンティブという制度でお金まで払うのかと不平を言う。しかし、多くの国家で海外映像物の撮影誘致による自国の経済効果を狙ってロケーション・インセンティブ制度を運営している。自国で支出した製作費に対して一定比率を払い戻しするインセンティブ方式は、以前からグローバル・スタンダードとして位置を確立している。簡単に言えば外国に出かけてショッピングをして空港で税金を返してもらうのと似ている。他の国のインセンティブ制度は韓国とは違って観光効果には気を遣わず、自国で支出した費用にだけ関心を持つ。一例としてポン・ジュノ監督の『スノーピアサー』はチェコ撮影の際にチェコ政府から約35億ウォン(約3億8220万円)程のインセンティブの払い戻しを受けた。『スノーピアサー』の中にチェコを発見した人は誰もいないだろう。また、カナダが背景ではないにも関わらずカナダから90億ウォン余りの払い戻しを受けたアニメーション『ナット・ジョブ』も同様の事例だ。



【時論】『アベンジャーズ2』はソウルが格好良く映っていなかった?(2)

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