「アジアパラドックス50年-新たな機会と挑戦」をテーマにしたセッションは、フランシス・フクヤマ・スタンフォード大教授が「北東アジアで多者主義の重要性がいつよりも高まった」という演説で始めた。延世大の文正仁(ムン・ジョンイン)教授の司会で進行されたこのセッションで、討論者はアジアインフラ投資銀行(AIIB)、高高度ミサイル防衛(THAAD)体系、日米同盟の強化などをめぐり、熱を帯びた攻防を繰り広げた。
リチャード・アーミテージ元米国務副長官は「中国はTHAADに関して韓国に話す資格がなく、韓国はこの点を考慮しなければいけない」と強硬発言をした。マイケル・グリーン米戦略国際問題研究所(CSIS)上級副所長は「AIIBも立証されていない」とし「(AIIBの資金が)中国の国営企業を優先順位に不透明に配分されるだろう」と懸念を表した。アジアパラドックスとは、地域内の国家間の経済分野の相互依存度は高まるが、外交・安保分野の緊張は高まる現象をいう。
以下は発言の要旨。
フランシス・フクヤマ=東アジア多者主義はどのような制度的構造で設計するかが重要だ。中国が経済分野でAIIBを持ち出したのは興味深い。これは中国が追求する東アジア多者主義制度を見せる。しかし安保や領土紛争に関しては多者主義的制度がない。領土紛争を今のように2国間関係で接近するのは正しい解決策ではない。多者化された構造で議論しなければならない。
アーミテージ元国務副長官=米国も(日本に対する)韓国の強い感情(raw emotions)をよく理解している。しかしアジアの軍備競争は日本ではなく中国のために始まった。中国に対する恐れのためだ。しかし心配することはない。米国は中国を敵だと考えない。両国ともに共通の利害関係を持ち、伝染病の防止など懸案に関する協力は(両国関係に)役立つ。硬い民主主義国の間では争わない。韓中日の高官級で3者体制を稼働させれば(緊張緩和に)役立つと考える。
グリーン上級副所長=中国はAIIBのような多者体制を運営した経験がない。AIIB参加国が今後の議論で透明性とガバナンスを導入しなければいけない。THAADは北朝鮮のミサイル脅威が高まったという点で必要だ。中国はTHAADが中国に影響を与えると懸念するが、そうではない。韓日関係では、日本に対する韓国の認識と世界の認識が違うという点を押さえておきたい。もちろん慰安婦問題に関し、日本政府がいかなる説明をしようとしても失敗するしかない。しかし他の分野では話が違う。例えば国家信頼度調査で安倍晋三首相の日本は4位だ。日本を平和に対する脅威とみる国は韓国と中国だけだ。
宋旻淳(ソン・ミンスン)元外交通商部長官=THAADが北朝鮮の脅威を制御できる効果的なしくみだと立証されるなら支持するが、そうでなければ大きな費用を投じて導入するシステムだとは考えない。外交・軍事的費用を複合的に考慮しなければいけない。米中が近づけば韓国は歓迎するが、日本は疎外感を感じる。日本が米国の安保パートナーになれば軍備競争が生じる可能性があり、歴史上このような場合、最初の犠牲者は常に韓国だったという点で懸念される。日本が今はイルカでもいつシャチ(killer whale)に変貌するか分からない。日本の過去の歴史認識も問題だ。
◆中央日報-CSISフォーラム=中央日報と米戦略国際問題研究所(CSIS)が韓米両国の代表的な外交・安保専門家を招待して韓半島(朝鮮半島)周辺状況を診断し、解決法を提示してきた年次フォーラム。2011年に始まり、今年で5回目となる。1962年に設立されたCSISは、米政府の安保・外交政策に強大な影響力を及ぼす世界的なシンクタンク。歴代米政府・議会で仕事をした経験を持つ専門家が多数参加している。ズビグネフ・ブレジンスキー元国家安全保障問題担当大統領補佐官、ヘンリー・キッシンジャー元国務長官らが諮問委員として活動する。米ペンシルバニア大が選定した「2015外交安保シンクタンク順位」で昨年に続いて世界1位に選ばれた。
リチャード・アーミテージ元米国務副長官は「中国はTHAADに関して韓国に話す資格がなく、韓国はこの点を考慮しなければいけない」と強硬発言をした。マイケル・グリーン米戦略国際問題研究所(CSIS)上級副所長は「AIIBも立証されていない」とし「(AIIBの資金が)中国の国営企業を優先順位に不透明に配分されるだろう」と懸念を表した。アジアパラドックスとは、地域内の国家間の経済分野の相互依存度は高まるが、外交・安保分野の緊張は高まる現象をいう。
以下は発言の要旨。
フランシス・フクヤマ=東アジア多者主義はどのような制度的構造で設計するかが重要だ。中国が経済分野でAIIBを持ち出したのは興味深い。これは中国が追求する東アジア多者主義制度を見せる。しかし安保や領土紛争に関しては多者主義的制度がない。領土紛争を今のように2国間関係で接近するのは正しい解決策ではない。多者化された構造で議論しなければならない。
アーミテージ元国務副長官=米国も(日本に対する)韓国の強い感情(raw emotions)をよく理解している。しかしアジアの軍備競争は日本ではなく中国のために始まった。中国に対する恐れのためだ。しかし心配することはない。米国は中国を敵だと考えない。両国ともに共通の利害関係を持ち、伝染病の防止など懸案に関する協力は(両国関係に)役立つ。硬い民主主義国の間では争わない。韓中日の高官級で3者体制を稼働させれば(緊張緩和に)役立つと考える。
グリーン上級副所長=中国はAIIBのような多者体制を運営した経験がない。AIIB参加国が今後の議論で透明性とガバナンスを導入しなければいけない。THAADは北朝鮮のミサイル脅威が高まったという点で必要だ。中国はTHAADが中国に影響を与えると懸念するが、そうではない。韓日関係では、日本に対する韓国の認識と世界の認識が違うという点を押さえておきたい。もちろん慰安婦問題に関し、日本政府がいかなる説明をしようとしても失敗するしかない。しかし他の分野では話が違う。例えば国家信頼度調査で安倍晋三首相の日本は4位だ。日本を平和に対する脅威とみる国は韓国と中国だけだ。
宋旻淳(ソン・ミンスン)元外交通商部長官=THAADが北朝鮮の脅威を制御できる効果的なしくみだと立証されるなら支持するが、そうでなければ大きな費用を投じて導入するシステムだとは考えない。外交・軍事的費用を複合的に考慮しなければいけない。米中が近づけば韓国は歓迎するが、日本は疎外感を感じる。日本が米国の安保パートナーになれば軍備競争が生じる可能性があり、歴史上このような場合、最初の犠牲者は常に韓国だったという点で懸念される。日本が今はイルカでもいつシャチ(killer whale)に変貌するか分からない。日本の過去の歴史認識も問題だ。
◆中央日報-CSISフォーラム=中央日報と米戦略国際問題研究所(CSIS)が韓米両国の代表的な外交・安保専門家を招待して韓半島(朝鮮半島)周辺状況を診断し、解決法を提示してきた年次フォーラム。2011年に始まり、今年で5回目となる。1962年に設立されたCSISは、米政府の安保・外交政策に強大な影響力を及ぼす世界的なシンクタンク。歴代米政府・議会で仕事をした経験を持つ専門家が多数参加している。ズビグネフ・ブレジンスキー元国家安全保障問題担当大統領補佐官、ヘンリー・キッシンジャー元国務長官らが諮問委員として活動する。米ペンシルバニア大が選定した「2015外交安保シンクタンク順位」で昨年に続いて世界1位に選ばれた。
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