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【社説】物足りなさが残る韓米原子力協定の改正

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
1973年に締結された韓米原子力協定が42年ぶりに改正された。新しい協定で韓国は、原子力研究と輸出において少なくない実利を得た。米国の同意のもとに低濃縮ウランを開発する道が開かれ、難しかった輸出入の許認可も簡素化されて、原子力発電所の輸出の障害物が解消された。研究開発レベルではあるがパイロプロセッシング(乾式再処理)の前段階である電解還元の権限を確保したのも肯定的だ。

だが核心争点であるウラン濃縮と使用済み核燃料の再処理では体面を繕う程度以上の進展がみられなかった。新しい協定でいわゆる「ゴールドスタンダード」条項は入らなかったが、韓国の濃縮・再処理は米国と高官級協定を通じて合意してこそ可能だとくぎを刺したからだ。原子力の利用規模が世界5位の韓国が依然として独自の濃縮と再処理権限を確保できない点で、新しい協定の限界は明らかだ。ここにおいて「新しい協定は先進的で互恵的」という政府の自慢は色あせている。

使用済み核燃料は捨てれば廃棄物、再処理すれば燃料だ。再処理の道さえ解除すれば核燃料を得られるにもかかわらずウランを買って使うというのは不合理だ。現在、世界の濃縮ウラン市場は供給超過だが、市場状況が急変して韓国がウラン不足に苦しめられる可能性はいくらでもある。その上、現在国内の原子力発電所には使用済み核燃料棒1500万本がたまり、毎年700トンが追加発生している。古里(コリ)原子力発電所の使用済み核燃料棒は年末には飽和状態となる。米国が核廃棄物の管理技術を移転してくれることにしたとしても、目前に近づいた核廃棄物大乱の憂慮を解消するにはとんでもない水準だ。


米国の核不拡散の政策基調を理解できないわけではないが、韓国政府が最初からこれを意識して、あまりにも消極的に交渉に臨んだのではないかという疑問を払いのけることはできない。米国は88年に戦犯国家の日本に濃縮と再処理をいずれも許容し、核拡散防止条約(NPT)加入を拒否して核武装を押し切ったインドにも包括的に許容した。だからこそ政府は米国のこうした二重定規を執拗に指摘して「韓国が核武装するかもしれない」という根拠のない憂慮を払拭させるべきだった。

韓国は73年の原子力協定締結当時、原発どころか初歩的な技術もなかった。今は23基の原発で電力の3分の1をまかなっている。原発7基を建設中であり、中東に輸出までする原子力強国だ。また91年の南北非核化宣言以降、北朝鮮の3回にわたる核実験にもかかわらず非核化と原子力の平和的利用原則を守ってきた。したがって米国が核利用の模範国であり同盟国である韓国に対して濃縮・再処理包括禁止方針を守ったのは理解し難い処置だ。

幸い新しい協定は韓米間で高官級協議体を新設して原子力に関するすべての事案を扱うことにした。これまで濃縮と再処理に対して発言の機会さえ封鎖されてきた韓国が、米国に言うべき事は言える窓口が用意されたのだ。だからこそ新しい協定は、終わりではなく始まりだ。政府は米国を持続的に説得して濃縮・再処理を含めた韓国の「核の国益」の確保を怠ってはいけないだろう。



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