規定を守らないのも問題だ。自転車で横断歩道を渡る時は必ず降りて引っ張っていくべきなのに、実践している人はほとんどいない。左右に曲がる時に手信号で知らせる規則も同じだ。自転車の推奨最高速度（時速２０キロ）について言うと自転車マニアはフフッと笑ってしまう。ファン局長は「自転車に乗ったままイヤホンで音楽を聴く人が多いが、周辺状況を把握しにくく非常に危険な行動」と話した。

自転車専用道路が不足しているのも事故が増える原因として指摘されている。ソウル市の場合、自転車道路４４８．２キロのうち専用道路は６９．７ｋｍ（１５．５％）に過ぎない。自転車と歩行者が共に利用する道路が３２５．６ｋｍ（７２．６％）に達し、自転車と車が共有する道路も５２．９ｋｍ（１１．８％）にもなる。ソウル地方警察庁のチョン・ヘジュン警衛は「自動車と自転車、歩行者は移動スピードがそれぞれ違う。これらが道路を共有する環境では事故の危険性は消えない」と話した。

自転車道路のデコボコした路面を平らにして走行の邪魔になる構造物や違法駐車などをなくす努力も必要だ。４大河川流域の専用道路の場合、利用者のための休憩所の拡充や事故が起きた時に迅速に患者を救助できるシステムの構築が急務だ。


また韓国は飲酒自転車の運転者に対する処罰規定がなくて問題だ。会社員ユ・チャンヒョンさん（３２）は「自転車に乗って漢江沿いを走ってみると酒を売っている人もいて、泥酔状態の自転車運転者も見える。猛スピードで疾走して事故が起きたことを示すスプレー跡を見ると背筋が寒くなる」と話した。

道路交通法第５０条８項には「自転車運転者は酒に酔った状態で正常に運転できない恐れがある状況で運転してはいけない」で明示されている。だが処罰規定がない訓示規定だ。一方、日本は自転車飲酒運転時に５年以下の懲役と１００万円（約９００万ウォン）以下の罰金を科している。ドイツは酒に酔って自転車を走らせ摘発されれば罰金はもちろん、ひどい場合は自動車免許も取り消す。

ハン・マンジョン韓国自転車団体協議会会長は「国会で２年以上係留中の自転車飲酒運転処罰規定をはやく通過させなければならない」と話した。



危険な疾走…韓国の自転풎事故死亡者比率、ＯＥＣＤ平均の１．５倍（１）