和田春樹東京大学名誉教授(77)
――両国の指導者が慰安婦問題で一歩も退かない政治的理由はどこにあるか。
「安倍晋三首相は政治家として日本の歴史に対し歴史修正主義的な立場を取っている。2006年に初めて首相になった当時は河野談話と村山談話に対し首肯し支持層の反発を買った。2012年に2度目に首相になってからは2つの談話を修正するという立場を見せた。このため韓国が強く反発し、安倍首相は日本国内ですら批判を受けた。これは朴槿恵(パク・クネ)大統領との衝突につながり韓日首脳会談は開かれないでいる。日本という国の首相として安倍氏は対外的な批判を無視できないため結局河野談話を支持するという立場を表明した。問題は安倍首相がどこまで譲歩できるかということだ。日本としては慰安婦問題に対してやるだけのことはやったといえる2つの談話とアジア女性基金の発足などでこれ以上の譲歩はないという立場を見せることができる。しかしはたしてそれだけで適切な対応なのかをめぐり安倍首相は政治的な選択をしなければならない岐路に立っている」
――政治指導者が民族主義に足を引っ張られる感じがする。
「ナショナリズムは国民国家という枠組みではどこの国でもよく現れる政治的潮流だ。植民地国家では自分たちの独立国家を作ろうという意志から抵抗的ナショナリズムが生じた。反対に共産主義国家はインターナショナリズムという新しい原理を国際政治の中で主唱した。共産主義体制が1990年に終止符を打ち共産主義的インターナショナリズムが消えることになりナショナリズムが強まることになった。最近では米国中心のグローバリズムに対抗するイスラム国家を中心にナショナリズムの傾向が強くなっている。時代の変化によりインターナショナリズムとナショナリズムが二元的に存在することになる。問題はどのようにナショナリズムを尊重しながら抑制するのかにある。こうした態度がどの国、どの民族にも必要だ」(中央SUNDAY第423号)
<インタビュー>朴大統領と安倍首相、国際舞台で何度も会えば問題解決するだろう(2)
<インタビュー>朴大統領と安倍首相、国際舞台で何度も会えば問題解決するだろう(3)
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