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【コラム】輸出韓国が危ない

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「最近、現地工場など海外進出が多かった携帯電話・自動車業種などは国内工場の生産を拡大してほしい」。尹相直(ユン・サンジク)産業通商資源部長官が、輸出入がいずれも3カ月連続で減少しているとして言い出した話だ。輸出不振を打開するための色よい対策が見られないことに伴う圧迫感が大きかった模様だ。

だが政府がそう言ったからと、どの大企業がすぐに国内生産を増やせるだろうか。海外の生産施設を取り外して持って来いとでもいうのか。政府は大企業が何かの魔法の杖でも持っていると思っているようだ。政府が賃金を上げろと言えばさっと上げて、国内生産を増やせと言うならさっと増やす、そんな杖の話だ。

◆大企業に国内生産増やせと?


携帯電話でも自動車でも、生産の中心が海外に移ってからすでに長い。海外市場の開拓という要因が大きいが、そうでなくてもあえて国内に残っている理由がない。労働・立地・環境・税金など規制やコストの面で何1つメリットがない。最近は米国・日本などの先進国はUターン政策だ何だと破格的な変化を図っている。だが韓国のUターン政策はあるのかどうかだ。

しかも尹長官が例に挙げた携帯電話や自動車はどんな状況なのか。よそ見をしていてはいつ奈落の底に落ちるか分からないほどグローバル企業間の死活をかけた生存競争が広がっている。もし大企業が海外生産で突破口を見出せなかったら今の国内生産も残っている保障がない。「海外生産が国内輸出を支える」という逆説的な仮説をむしろ有り難く思わなければいけない状況だ。

バスが出た後に手を振って何をしているのか。より大きな問題は来るバスさえ逃すようになったということだ。数日前、セヌリ党-全国経済人連合会政策懇談会で30大企業役員が「新事業推進を防ぐ各種規制を緩和してほしい」と要請した。規制のためにビッグデータや水素自動車、エネルギー保存装置(ESS)もモバイルヘルスケアもできないという哀訴だ。こうなれば大企業は新事業まで外に持ち出すほかはない。その結果は想像することさえ嫌になる。「生産の空洞化」に「研究の空洞化」までも招けば、未来の輸出の種が滅びるかもしれない。

◆「自分たちの土俵で相撲を取る」という中企政策

産業部は輸出の中小企業を大幅に増やすというが、これまた苦しいのは同じだ。どんな対策を出しても中小企業が海外に出て行きたがらない限り、何も効果がない。不幸にも国内の中小企業政策は海外ではなく「自分たちの土俵で相撲を取ろう主義(保護主義)」だ。

先進国の中小企業政策が「競争促進的」ならば、韓国は徹底的に「競争制限的」だ。中小企業政策だと言って出てくるものが全て競争を制限することで中小企業を保護できるという認識にとらわれている。中小企業の適合業種、大企業の公共事業入札制限などの論理がみなそうだ。さらに政府研究開発(R&D)さえ大企業を追い出して中小企業専用の舞台にしようということではないのか。

自由貿易協定(FTA)で1つの市場へ向かっているのに「内需・輸出バランス」をどうこう言うこと自体が時代錯誤的だ。ましてや「土俵=中小企業」では話になるだろうか。中小企業政策が「世界市場」を相手に「競争促進的」に向かわなければ結果は明らかだ。輸出の中小企業を増やすどころか土俵さえも海外企業に譲り渡してしまうことになる。「大企業の規制」「中小企業の保護」という企業政策の一大転換が行われなければならない。輸出韓国の神話がここで終わることを望まないのであれば。

アン・ヒョンシル論説・専門委員・経営科学博士



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