韓国銀行(韓銀)が1年間に発表する経済統計は131件(2015年基準)にのぼる。休日を除けば2日間に1回は新しい統計を出すということだ。単純な集計資料もあるが、解釈が必要な統計も多い。このような数字のために専門人材だけで博士級124人、修士級538人が動員される。国内最大だ。こうした韓銀の統計は経済の行方を知らせる目安となる。政府・家計・企業の各経済主導者は韓銀の数を基礎に経済計画を立てる。
その韓銀が9日に発表した「2015年経済展望」は2つの点で暗鬱な気分にさせる。まず、今年も韓国経済が好転するどころかむしろ悪化するかもしれないという予想が一つだ。もう一つは、予測値を何度も大幅に修正する韓銀の予測能力や景気対応力を果たして信頼できるかという点だ。
韓銀は今年の成長率予測値を3.1%に下方修正した。昨年4月に4.2%と予想した後、7月(4.0%)、10月(3.9%)、今年1月(3.4%)と、1年間に4回も予測値を引き下げた。
景気の予測は容易でないが、あまりにも深刻なレベルだ。消費者物価上昇率の予測値はなおさらだ。3カ月ぶりに1.9%から0.9%に引き下げた。原油安と公共料金引き下げが予想より大きかったというのが韓銀の説明だが、納得しがたい。このような韓銀の経済予測能力を信じて経済政策を進めてもよいのか心配になるほどだ。最近のように悲観的な景気指標と希望的な経済信号が交錯して表れる時は、特に韓銀の役割が重要だ。韓銀の予測能力が落ちるほど韓国経済の対応能力も落ちる。
さらに心配なのは暗鬱な景気指標が改善されていない点だ。2月の製造業生産はまたマイナス4.8%と後退した。輸出までが3カ月連続でマイナスだ。株式市場と不動産が上向き、建設業の日雇い市場が込み合うなど景気がうごめいていてはいるが、本格的な景気回復を話すほどではないという分析が多い。一部では、韓銀がやや楽観的な見方をしてきた点を考慮すれば、事実上、韓銀が今年の成長率展望を2%台に引き下げたと見るべきだと指摘する。野村証券(2.5%)・BNPパリバ(2.7%)・IHSエコノミクス(2.9%)はすでに韓国の成長率予測値を2%台に下げている。
何よりも心配されるのは、こうした低成長基調が固着化する可能性が高いという点だ。韓銀の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁は金融通貨委員会後の会見で、「景気回復のために財政がある程度の役割をしなければいけない」と述べ、政府の積極的な役割を注文した。政府の悩みも深まった。企画財政部は成長率3.8%、物価上昇率1.9%を前提に今年の予算を組んだ。税収に支障が予想されるだけに経済運用計画も大幅な修正が避けられないだろう。にもかかわらず青瓦台(チョンワデ、大統領府)経済首席秘書官と経済副首相は「景気回復傾向が強まっている」と、現実とはかけ離れた楽観論を並べ、混乱を深めている。
経済が厳しいほど、より正確な診断と処方が必要だ。韓銀は「デフレではない」という言葉を繰り返すのではなく、経済の流れの変化を綿密にチェックする必要がある。
政府は楽観論よりも、果敢な構造改革で経済体質の強化に力を注がなければいけない。遅々として進まない労働市場改革や公務員年金改革がその出発点になるべきだ。格別の覚悟と実践がなければ、低成長とデフレという重病にかかった韓国経済を救い出すことはできない。
その韓銀が9日に発表した「2015年経済展望」は2つの点で暗鬱な気分にさせる。まず、今年も韓国経済が好転するどころかむしろ悪化するかもしれないという予想が一つだ。もう一つは、予測値を何度も大幅に修正する韓銀の予測能力や景気対応力を果たして信頼できるかという点だ。
韓銀は今年の成長率予測値を3.1%に下方修正した。昨年4月に4.2%と予想した後、7月(4.0%)、10月(3.9%)、今年1月(3.4%)と、1年間に4回も予測値を引き下げた。
景気の予測は容易でないが、あまりにも深刻なレベルだ。消費者物価上昇率の予測値はなおさらだ。3カ月ぶりに1.9%から0.9%に引き下げた。原油安と公共料金引き下げが予想より大きかったというのが韓銀の説明だが、納得しがたい。このような韓銀の経済予測能力を信じて経済政策を進めてもよいのか心配になるほどだ。最近のように悲観的な景気指標と希望的な経済信号が交錯して表れる時は、特に韓銀の役割が重要だ。韓銀の予測能力が落ちるほど韓国経済の対応能力も落ちる。
さらに心配なのは暗鬱な景気指標が改善されていない点だ。2月の製造業生産はまたマイナス4.8%と後退した。輸出までが3カ月連続でマイナスだ。株式市場と不動産が上向き、建設業の日雇い市場が込み合うなど景気がうごめいていてはいるが、本格的な景気回復を話すほどではないという分析が多い。一部では、韓銀がやや楽観的な見方をしてきた点を考慮すれば、事実上、韓銀が今年の成長率展望を2%台に引き下げたと見るべきだと指摘する。野村証券(2.5%)・BNPパリバ(2.7%)・IHSエコノミクス(2.9%)はすでに韓国の成長率予測値を2%台に下げている。
何よりも心配されるのは、こうした低成長基調が固着化する可能性が高いという点だ。韓銀の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁は金融通貨委員会後の会見で、「景気回復のために財政がある程度の役割をしなければいけない」と述べ、政府の積極的な役割を注文した。政府の悩みも深まった。企画財政部は成長率3.8%、物価上昇率1.9%を前提に今年の予算を組んだ。税収に支障が予想されるだけに経済運用計画も大幅な修正が避けられないだろう。にもかかわらず青瓦台(チョンワデ、大統領府)経済首席秘書官と経済副首相は「景気回復傾向が強まっている」と、現実とはかけ離れた楽観論を並べ、混乱を深めている。
経済が厳しいほど、より正確な診断と処方が必要だ。韓銀は「デフレではない」という言葉を繰り返すのではなく、経済の流れの変化を綿密にチェックする必要がある。
政府は楽観論よりも、果敢な構造改革で経済体質の強化に力を注がなければいけない。遅々として進まない労働市場改革や公務員年金改革がその出発点になるべきだ。格別の覚悟と実践がなければ、低成長とデフレという重病にかかった韓国経済を救い出すことはできない。
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