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【コラム】韓国の伝統武道に韓流の可能性を見る

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
西欧では、武術といえば韓国・日本・中国など東洋のことが真っ先に思い浮かぶ。韓国武術だけでもテコンドー・合気道・韓国シルム(相撲)と共に重要無形文化財第76号であるテッキョンが広く知られている。私は韓国武術や武道を学びながら自分なりの哲学を持つようになった。

もともと西洋での武道のイメージは非常にロマンチックなものだった。大衆メディアがそのような姿をしばしば見せたからだろう。このため武道イコール宗教というように考える人がかなり存在する。

瞑想と一緒に行うことはもちろん、哲学的・宗教的なアプローチから理解しようとする人も多い。私もそうだった。初めて学んだ時は技術的な「美」に引かれた。だが、関連本やコラムを読むほど、分からないことが増えた。武道とは何かをずっと悩んでみたものの、簡単には答えを得られなかった。


そのうち大韓民国に来ることになり、武道を学びながら意外な状況と出くわした。武道を運動の一つとして考える人々が多く、驚いた。道場に通う会員の大多数が基礎体力を育てようとする子供たちだった。素晴らしい示範を見せようと修練する人も多かった。私は武道とは何か、正しい修練方法は何かを武道の“師匠”である館長を通じて学んだ。彼によると、武道は宗教や哲学的な意図で修練するものではなかった。武術は本来自分の身や家族、そして自国を守るためのものから出発した。そうするうちに修練を通じて人格を高めようとする方向に発達した。

武道に磨きをかけているうちに、その正しい使用について深く考える時が来る。肉体的な技術だけを駆使すれば人に危害を加えたり、社会生活に悪い影響を及ぼしたりするおそれがある。したがって道、すなわち道徳的な道もあわせて学ぶことが重要だ。武道にはもともと善悪の概念がない。ただし、これをどのように使うかによってその価値が変わる。

武道を高めようとしている人は数多くの修練を通じて人生に対する尊敬・謙遜・忍耐心・努力・勇気のような徳性を得ることができる。そして、できるだけ道徳的な生活を送りながら自分が培った力を人のためになることに使う。このような点で見たとき、武道は一つの教育制度だ。大韓民国だけでなく、全世界で武道の修練に励む人々に対する尊敬心がもっと大きくなり、武道を基礎体力の鍛練を越えて私たちがもう少し良い暮らしができるように力を添える有益な教育制度として活用したら良いのではないかと考える。大韓民国の魅力的な伝統武術をこれからも維持・発展させ、より多くの人々が武道修練を通じて多くのことに気がつけば良いと思う。韓国武道にもうひとつの韓流の可能性を見る。

ダニエル・リンデマン(JTBC「非首脳(正常)会談」出演者)



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