“新体操の妖精”ソン・ヨンジェ（２１、延世大）が足首のけがで立ち止まった。ルーマニアのブカレストで開催中の新体操ワールドカップ（Ｗ杯）で５日、フープの演技中にジャンプして着地した際、バランスを崩して倒れた。演技は最後まで続けたが、その後、足首がはれた。痛みもあったため、結局、種目別決勝を途中で放棄した。数日間休めば良くなるというが、来年に迫ったリオデジャネイロオリンピック（五輪）を控えて新体操界は懸念が強まった。

ソン・ヨンジェは２０１０年にシニアデビューした後、毎年成長してきた。２０１２年ロンドン五輪５位、昨年９月の世界選手権４位に続き、昨年１０月の仁川（インチョン）アジア競技大会では韓国新体操史上初めてとなる金メダルを獲得した。今後ソン・ヨンジェが狙うのは２０１６年リオデジャネイロ五輪のメダルだ。現在の実力を維持しながらコンディション調整がうまくいけば、世界３位内も可能とみられる。

しかし新体操の選手として若くない年齢が負担だ。今年、ソン・ヨンジェの年齢は満２１歳。五輪が開催される来年は２２歳となる。新体操選手は２０代序盤に引退することが多い。


新体操は種目別に１分３０秒間の優雅な演技を見せる。芸術スポーツとはいえ、どの種目よりもハードだ。他の種目の選手が筋力を１００回するとすれば、新体操の選手は１０００回以上して体づくりをする。静的な筋肉と動的な筋肉を絶えず使うため体づくりが欠かせない。同じ位置でジャンプした後、続いて指先で感情を表現するには、強力な体力と柔軟性が必要だ。このため他の種目の選手が２０代半ばにピークを迎えるのに対し、新体操の選手は２０代に入ればピークが終わったとみる。２０代半ばまで活動する選手もいるが、入賞する選手は多くない。

韓国スポーツ開発院のパク・セジョン研究員は「新体操選手は寿命が短い方だ。新体操強国のロシアをはじめとする東欧の選手は基礎体力を作り、２０代半ばまで活動する場合がある」としながらも「韓国の選手はほとんどの１０代後半に全盛期を迎えた後、体力の低下で２０代序盤に引退することが多い」と話した。２００８年にアジア選手では初めて自力で北京五輪に出場したシン・スジ（２４）も２０歳だった２０１１年に引退した。



＜新体操＞年齢が負担か、立ち止まったソン・ヨンジェ（２）