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<セウォル号>引き揚げめぐる「葛藤費用」考慮…朴大統領、多くの世論を受容

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
朴槿恵(パク・クネ)大統領が6日、旅客船セウォル号の船体引き揚げ方針に重心を置いた。朴大統領は首席秘書官会議で「セウォル号の引き揚げが技術的に可能だとの結論が出れば、不明者家族や専門家の意見、世論を収斂する」という前提で「船体の引き揚げを積極的に検討していく」と述べた。政府はこれまで船体の引き揚げに対して「技術的な検討を行った後、話し合い過程を経て最終決定していく」という立場を維持してきた。

このような状況で朴大統領が先制的に船体の引き揚げについて言及したことを受け、青瓦台(チョンワデ、大統領府)内ですら「電撃的」「前向き」という反応だ。青瓦台のある関係者は「前提条件があるため結果を見るべきだが、条件がそろうなら引き揚げるべきだとの意向を表わしたもの」としながら「引き揚げに対して以前よりも積極的な意思を示したようだ」とした。

朴大統領がこのように述べたのは、世論が「船体の引き揚げ」側に傾いていることと無関係ではないという周辺の言葉もある。各種世論調査では引き揚げに賛成するという回答のほうが多い。それだけでない。朴大統領としては遺族の要求を受け入れる姿にも気を遣ったという。ある参謀は「費用や技術問題など船体の引き揚げをめぐる論争が絶えない状況で不明者家族や遺族の心をいたわり、社会統合次元から問題を解決するために引き揚げの積極的な検討を示したのではないか」と話した。


特に、引き揚げをめぐって起こるであろう社会的葛藤の費用に対する懸念も作用したという。朴大統領と青瓦台は年初に経済再生を掲げて公務員年金改革や労働市場改革などの国政課題を提示した。急を要する課題ばかりだ。このような状況で、引き揚げをめぐる論争に時間を浪費している場合ではないと判断したのだ。セウォル号犠牲者と不明者家族は今月2日、船体の引き揚げや真相究明などを促して断髪式を行った。与党圏の幹部関係者は「朴大統領は昨年、セウォル号事故で国政がほぼ麻痺する苦難を経験した。緊急の国政課題を抱え、政府に対して否定的な世論を遮断する必要性もあったのかもしれない」と話した。

実際、朴大統領の発言に対してセヌリ党指導部は賛成の立場を表明した。金武星(キム・ムソン)代表は仁川(インチョン)強化地域最高委員会が終わった直後、記者会見を開き「私が知っている範囲ではセウォル号引き揚げは国内技術で十分に可能」としながら「セウォル号は引き揚げられるべき」と述べた。劉承ミン(ユ・スンミン)院内代表も電話取材に対して「大統領の言葉からは、すでに政府側では引き揚げの方向で内部決定を下したようだ」とし「賛成し歓迎する」とした。野党も歓迎した。新政治民主連合の金瑛録(キム・ヨンロク)首席報道官は「大統領の発言は、事実上、セウォル号の引き揚げを指示するもの」とし「セウォル号1周忌を前に、引き揚げ問題にけりを付けなければならない」と明らかにした。

だが、引き揚げに関しては一部否定的な意見も少なくない。感情に流されただけの措置で、実益がないという点からだ。匿名希望の船舶構造専門家(国立大教授)は「費用と技術的問題などを考えれば引き揚げしないほうが正しい。しかし、政府が犠牲者家族との疎通に失敗してそのような問題について言いにくい状況になった」と話した。



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