ブラックボックスが開けられた。驚くべき真実が表れた。

２４日、１５０人を乗せて巡航したドイツのジャーマンウィングス９５２５便が墜落したのは副機長が原因だった。

機長がしばらく席を外した間に操縦室の扉を施錠して飛行機を３万８０００フィートの高度から６０００フィートに急降下させた後、全速力に近い時速４３０マイル（時速６９２ｋｍ）で山岳地帯に衝突させた。その最後の１０分間、彼は沈黙した。息が早くなることも遅くなることもなかった。最後の方で乗客の悲鳴で機内がいっぱいになったにも関わらずだ。このためドイツ人と伝えられた彼が、なぜこのような行為に及んだのかという謎に関心が集まることになった。


フランスのマルセイユ検察当局は２６日（現地時間）、このような内容を公開した。事故当日、損傷した状態で発見されたブラックボックスの操縦室音声録音装置（ＣＶＲ）から抽出されたオーディオファイルを分析した結果だ。

オーディオは墜落直前３０分間の操縦室の音響だった。序盤２０分間の対話は和気あいあいとしていた。機長は「着陸を準備しなければならない」といってさまざまな指示を出した。そして「生理現象（ｎａｔｕｒａｌ　ｃａｌｌ）」のために操縦室を離れ、副機長であるアンドレアス・ルビッツ（２８）が代わりに操縦桿を握った。ルビッツはまもなく急降下システムを作動させた。その間、操縦士が戻ってきて扉を叩いたがルビッツは反応を示さなかった。もっと強く扉を叩いても反応がないので最後の方は扉を壊そうとしているかのようだった。機長は哀願し、訴えかけた。

管制塔からもこの異常降下に９５２５便と何度も対話を試みた。ルビッツはしかし、依然として反応を示さなかった。

衝突直前１０分間の操縦室には沈黙が流れた。ルビッツは一言も発しなかった。ぶつぶつ独り言を言うこともなかったという。ＣＶＲにはその代わりに彼の呼吸が録音されていた。仏捜査当局のブリス・ロベン検事はブリーフィングで「副操縦士は衝突のまさにその瞬間まで正常に呼吸していた」とし「最後の１０分は完全な沈黙だった」とした。

２００１年の９・１１テロ以後、テロ犯が旅客機の操縦室を掌握するのを防ぐために操縦室の扉の開閉システムは大幅に強化された。外信によると、同機の場合、外部からパスワードを入力しなければならない。しかし中から施錠した場合、外からは事実上、扉を開けられなくなっている。

ルビッツはなぜそのようなことをしたのだろうか。ロベン検事は「現在、有力な解釈は飛行機を墜落させるためのもの」としている。この過程で、当局は「意図的（ｄｅｌｉｂｅｒａｔｅ）」「自発的（ｖｏｌｕｎｔａｒｉｌｙ）」という単語を使った。しかし「自殺」とは言ってはいない。ロベン検事は、「自殺か」との質問に「そのような疑問を持つのが適切な方法だ」とした。また、「テロ攻撃と思うか」という質問に「思わない」と答えた。独捜査当局も「われわれが知るところではテロ行為と連結するほどの背景がない」とした。

ドイツ・モンタバウアー出身のルビッツは飛行士になるのが夢だった。１０代の頃から飛行クラブの会員として活動した。ルフトハンザ飛行学校を卒業した２０１３年からジャーマンウィングスで仕事をした。６３０時間の飛行経歴がある。ルフトハンザ側はルビッツに対して「２００８年から教育を受けたた彼は、６年間各種検査を全てパスし、精神病歴もなかった」とし「こうしたことが起きるとは想像できなかった。われわれとしてはこの謎を解くのに相当な時間がかかるだろう」と話した。そして、「われわれとしては惨憺たる状況」と話した。

ロベン検事は同日、オーディオに納められた最後の機内の様子も伝えた。

「数秒間、悲鳴が聞こえた。死は一瞬だった」。搭乗客の大部分は衝突直前まで何が起きているかわからなかったという意味だ。