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【中央時評】通貨政策、世界化、民主主義=韓国(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
ドルは米国の通貨だが国際通貨でもある。米国はこれに伴う途轍もない特権を享受し、米国の通貨政策は世界経済に多大な影響を及ぼす。これに対し米国の通貨政策は常に自国の経済状況に立脚して決定されてきた。1970年代初めに当時のコナリー米財務相は欧州の財相に「ドルはわれわれのお金だが、あなた方の問題だ」と話したことがあるが、その後米国の一方的通貨政策指向を皮肉る言葉としてしばしば引用されてきた。2008年に当時のバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長がゼロ金利と量的緩和政策を行った時もその後の国際的波及効果に対する考慮は大きくなかっただろう。当時金融危機と恐慌の危険に陥った米国経済を救い出すための措置だった。

そのような米国もいまや通貨政策を自分たちの思い通りにばかりはできないことを感じているようだ。最近米国経済が回復傾向を見せ失業率が持続的に下がっていることから、FRBは金利引き上げ時期を測っている。市場は6月なのか、その後なのかに神経を尖らせてきた。しかし一昨日連邦公開市場委員会でFRBは金利引き上げに対し再び一歩後退する姿勢を見せた。年内に引き上げを始めても引き上げのスピードは非常に遅いことを示唆した。金利を上げて景気回復の流れに冷や水を浴びせることにならないかとの懸念とともに、ドル高をさらにあおるのが恐ろしいのだ。

この8カ月間でドルは実質実効為替相場基準で第2次世界大戦後同じ期間内で最大の切り上げ幅を見せた。主な理由は米国が近く金利引き上げを始めるものと予想されたのに対し、欧州はゼロ金利に加え先月から大規模量的緩和を始め、日本もアベノミクスでゼロ金利と量的緩和を持続しており、中国すら通貨緩和政策で対応し、相対的にドルが大きく上がるためだ。米国の国内経済状況から見れば金利を上げなければならないが、欧州、日本、中国などの通貨政策を見れば金利を上げにくくなった状況だ。以前ならスーパー301条のような貿易制裁手段をちらつかせて他国の通貨・為替政策に圧力を加えたりもしただろうが、世界貿易機関(WTO)時代にそうした手段を使うことができないだけでなく、米国が自ら取った政策を他の国々にできないようにする名分もない。結局米国の金利正常化は遅れ、他の国の通貨緩和政策も続き、通貨戦争は続く見通しだ。

【中央時評】通貨政策、世界化、民主主義=韓国(2)

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