ラガルド国際通貨基金(IMF)専務理事と司空壱(サゴン・イル)中央日報顧問兼世界経済研究院(IGE)理事長は、主要20カ国・地域(G20)首脳会議が始まった2009年以降、緊密に交流してきた。2人の共通関心事は世界経済の活力回復と国際金融秩序の再編だった。この2人が今月6日、米ワシントンIMF専務理事執務室で会った。この日、大雪のためIMFは全職員の出勤時間を午前11時に遅らせた。しかしラガルド専務理事は欧州への出国が予定されていた司空顧問との対談のため、担当職員に午前9時の出勤を指示した。
司空壱=IMF専務理事の時間は世の中で最も貴重な時間だが、対談の時間が確保されて感謝している。IMFが世界経済見通しを今年1月にアップデートした。世界経済をどう見ているのか。
ラガルド=我々(IMF)は今年、世界経済が3.5%ほど成長すると予想している。しかしもちろん国家間の偏差はある。先進国は2.4%ほど成長する見込みだ。先進国のうち米国が先導的な役割をし、英国も悪くないようだ。新興国と低所得国は今年4.7%ほど成長するとみている。全体的にみると、世界経済は悪い方ではない。2008年のグローバル金融危機以前の20年間の平均値と似ている。しかし金融危機の直後、深い沈滞から抜け出す時期の成長率としては期待に及ばない。過去の先進国の場合、深い沈滞の後には経済が急速に成長した。
司空壱=現在の世界経済はいくつかのプラス要素とマイナスのリスク要因が混在している。
ラガルド=その通りだ。まず原油安が世界経済全体レベルではプラス要因に挙げることができる。特にユーロ圏(ユーロ貨幣使用19カ国)と日本・インド・中国のような国には相当なプラスとなる見込みだ。マイナス要因としてはまず、米国やユーロ圏など主要国の通貨政策が一つの方向でないという点だ。米連邦準備制度理事会(FRB)はおそらく今年中に利上げと同時に通貨緊縮に転換するとみられる。一方、欧州中央銀行(ECB)は最近、量的緩和(QE)を実施した。これは先進国だけでなく新興国にも影響を及ぼすのが明らかだ。
司空壱=理論的にやや複雑な話だが、詳しい説明が必要なようだ。
ラガルド=(中央銀行の政策意図が)市場に正確に伝えられても、お金の流れが変わることがある。米ドルはユーロや日本円に比べて値上がりするだろう。ドル高になれば、一部の新興国と低所得国は資本流出の打撃のほか、輸出競争力が(ユーロ圏や日本に比べ)相対的に落ちるという二重の打撃を受ける可能性がある。また、これとは別に規模が大きいユーロ圏などでは、我々が「low-low&high-high」と呼ぶ現象が発生する可能性もある。「低いインフレ-低い成長&多い負債-高い失業率」を意味する。これは世界経済成長を妨げる要因だ。3つ目にウクライナ情勢とロシアの態度、アフガニスタンから北アフリカのチュニジア、ナイジェリアにいたる地域の地政学的不安要素が挙げられる。
司空壱=世界経済の短期展望をよく要約している。デフレと長期沈滞の可能性はどう見ているのか。
ラガルド=デフレと長期沈滞の可能性は一部の先進国に該当する。世界の大半の国は心配することではない。現在いくつかの先進国は非常に攻撃的に金融緩和をしているが、デフレではないものの低いインフレ現象が表れている。これらの国の経済が成長するが、労働市場参加率を基準にみた雇用は期待ほど増えていないのが問題だ。
司空壱=あなたはFRBの利上げ見通しに関し、金融市場不安定の可能性に言及した。これに関連し、IMFと国家間経済政策協力のためのG20などグローバルフォーラムの役割を一度確かめてみたい。ポール・ボルカー元FRB議長が過去に、資本市場という巨大な海で先進国を大洋を横切る旅客船に、新興国を南太平洋(ポリネシア)の人々が乗るカヌーに例えたことがある。新興国はもうモーターボートほどになったとしても(笑)、これらを保護するためのIMFの役割が強化されるべきだと見る。2010年ソウルG20首脳会議で合意したIMFグローバル金融安全網の強化と、このためにIMFクオータと支配構造の改編が行われなければいけない。しかし米国議会が2010年G20ソウル会議で合意したIMF支配構造と出資比率(クオータ)改革案を批准せず、憂慮される。IMFの強化された金融安全網があるということ自体だけでも、国際資本市場の不安要素は減る。
<インタビュー>韓国経済、来年3.5%以上成長…持続的革新にかかる(2)
司空壱=IMF専務理事の時間は世の中で最も貴重な時間だが、対談の時間が確保されて感謝している。IMFが世界経済見通しを今年1月にアップデートした。世界経済をどう見ているのか。
ラガルド=我々(IMF)は今年、世界経済が3.5%ほど成長すると予想している。しかしもちろん国家間の偏差はある。先進国は2.4%ほど成長する見込みだ。先進国のうち米国が先導的な役割をし、英国も悪くないようだ。新興国と低所得国は今年4.7%ほど成長するとみている。全体的にみると、世界経済は悪い方ではない。2008年のグローバル金融危機以前の20年間の平均値と似ている。しかし金融危機の直後、深い沈滞から抜け出す時期の成長率としては期待に及ばない。過去の先進国の場合、深い沈滞の後には経済が急速に成長した。
司空壱=現在の世界経済はいくつかのプラス要素とマイナスのリスク要因が混在している。
ラガルド=その通りだ。まず原油安が世界経済全体レベルではプラス要因に挙げることができる。特にユーロ圏(ユーロ貨幣使用19カ国)と日本・インド・中国のような国には相当なプラスとなる見込みだ。マイナス要因としてはまず、米国やユーロ圏など主要国の通貨政策が一つの方向でないという点だ。米連邦準備制度理事会(FRB)はおそらく今年中に利上げと同時に通貨緊縮に転換するとみられる。一方、欧州中央銀行(ECB)は最近、量的緩和(QE)を実施した。これは先進国だけでなく新興国にも影響を及ぼすのが明らかだ。
司空壱=理論的にやや複雑な話だが、詳しい説明が必要なようだ。
ラガルド=(中央銀行の政策意図が)市場に正確に伝えられても、お金の流れが変わることがある。米ドルはユーロや日本円に比べて値上がりするだろう。ドル高になれば、一部の新興国と低所得国は資本流出の打撃のほか、輸出競争力が(ユーロ圏や日本に比べ)相対的に落ちるという二重の打撃を受ける可能性がある。また、これとは別に規模が大きいユーロ圏などでは、我々が「low-low&high-high」と呼ぶ現象が発生する可能性もある。「低いインフレ-低い成長&多い負債-高い失業率」を意味する。これは世界経済成長を妨げる要因だ。3つ目にウクライナ情勢とロシアの態度、アフガニスタンから北アフリカのチュニジア、ナイジェリアにいたる地域の地政学的不安要素が挙げられる。
司空壱=世界経済の短期展望をよく要約している。デフレと長期沈滞の可能性はどう見ているのか。
ラガルド=デフレと長期沈滞の可能性は一部の先進国に該当する。世界の大半の国は心配することではない。現在いくつかの先進国は非常に攻撃的に金融緩和をしているが、デフレではないものの低いインフレ現象が表れている。これらの国の経済が成長するが、労働市場参加率を基準にみた雇用は期待ほど増えていないのが問題だ。
司空壱=あなたはFRBの利上げ見通しに関し、金融市場不安定の可能性に言及した。これに関連し、IMFと国家間経済政策協力のためのG20などグローバルフォーラムの役割を一度確かめてみたい。ポール・ボルカー元FRB議長が過去に、資本市場という巨大な海で先進国を大洋を横切る旅客船に、新興国を南太平洋(ポリネシア)の人々が乗るカヌーに例えたことがある。新興国はもうモーターボートほどになったとしても(笑)、これらを保護するためのIMFの役割が強化されるべきだと見る。2010年ソウルG20首脳会議で合意したIMFグローバル金融安全網の強化と、このためにIMFクオータと支配構造の改編が行われなければいけない。しかし米国議会が2010年G20ソウル会議で合意したIMF支配構造と出資比率(クオータ)改革案を批准せず、憂慮される。IMFの強化された金融安全網があるということ自体だけでも、国際資本市場の不安要素は減る。
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