ウェンディ・シャーマン米国務省次官の過去の歴史発言、日本外務省ホームページの「韓国と基本価値の共有」表現削除、そしてマーク・リッパート駐韓米国大使の襲撃事件まで。
寝ても覚めても連日の「外交爆弾」だ。相次ぐ突出事件で大韓民国の周辺情勢が緊迫している。この渦中で外交界は1日の朴槿恵(パク・クネ)大統領の69周年三一節記念演説に注目した。おりしも駐日大使出身の李丙ギ(イ・ビョンギ)氏を新任大統領秘書室長に任命した直後だった。日本の菅義偉官房長官がこれに呼応したように「(李丙ギ新任秘書室長が)韓日関係のために最善を尽くすだろうと大きく期待している」として公式論評したのも異例だった。
一部では「行き詰った対日関係を打開する大統領の前向きなメッセージが出てくるのではないか」と内心期待した。だが今回の三一節メッセージに特別なものはなかった。演説序盤に日本との協力成果を提起したが、しっかりと慰安婦問題の解決を促した上に教科書わい曲問題まで指摘した。正しい歴史認識の基礎のもとで日本が変わらなければいけないという従来の対日メッセージ構造と似ていた。「斬新な提案なしに原則論だけを強調した」「もどかしさの決定版」という批判が出てくる理由だ。
だが、単に過去表現の繰返しに過ぎないのであろうか。デリケートに変化した外交的修辞(Diplomatic Rhetoric)が込められた行間の隠れた意味を読み取れていないのではないか。これについて中央SUNDAYは「大統領の言葉」を集中的に分析した。就任以降、三一節(2013、2014、2015年)や8・15光復節(2013、2014年)など全5回の記念演説の中に含まれた対日メッセージを通じて、対日観の変化の様相を追跡してみた。
◆演説から「過去」の単語それなりに減少
とりあえず計量分析を実施した。分析の結果、5回の対日メッセージで最も多く登場した単語は「歴史」(26回)だった。特に昨年の三一節では9回も言及された。「歴史」の次に多く議論された単語は「両国」(24) 、「日本」(22)。「国民」(19)、「未来」(18)、「過去」(15)の順だった。両国間で過去の問題が何よりも重要だという意味だ。
時期を分けてみた。就任後、昨年の三一節まで3回のメッセージ(草創期)と、その後2014年の光復節、2015年の三一節など2回のメッセージ(後半期)で分けた。すると時期別に特定単語の言及回数が違っていた。例えば「勇気」という単語は草創期3回のメッセージでは5回出てきたのに後半期2回のメッセージでは1回しか登場しなかった。「痛い」(5回) 、「直視する」(4回)、「責任」(2回)などの語彙は草創期に登場しただけで、後半期には最初から出てこなかった。反対のケースもあった。「交流」(6回)、「解決する」(2回)、「越える」(2回)などは草創期には全く言及されず後半期だけに出てきた。
より精密な科学的分析のためにソウル大学言論情報学部のハン・キュソプ教授に「意味的ネットワーク分析(Semantic Network Analysis)」を依頼した。分析の結果、登場頻度と同じぐらい「連結中央性(centrality)」でも時期別に差を見せる単語が少なくなかった。連結中央性というのは単純な登場頻度ではなく、ほかの語彙とどんな方法で関係を結ぶかを通じて、特定単語の実質的価値を見せる指標だ。
分析の結果、連結中央性が草創期よりも後半期に入って最も大きく下がった単語は「過去」だった。0.324から0.129に下落した。「歴史」(0.332→0.295)、「勇気」(0.154→0.063)、「不正」(0.105→0.014)なども低くなった。一方、「韓日」(0.033→0.184)、「両国」(0.262→0.370)、「文化」(0.036→0.108)などの連結中央性は、後半期に大幅に増加した。
これについてハン教授は「朴大統領の対日メッセージが草創期の過去指向的・否定的言葉から後半期に入って協力的・肯定的表現に変わっている」と診断した。(中央SUNDAY第417号)
直球から隠喩へ…朴大統領の対日発言、緩やかに(2)
寝ても覚めても連日の「外交爆弾」だ。相次ぐ突出事件で大韓民国の周辺情勢が緊迫している。この渦中で外交界は1日の朴槿恵(パク・クネ)大統領の69周年三一節記念演説に注目した。おりしも駐日大使出身の李丙ギ(イ・ビョンギ)氏を新任大統領秘書室長に任命した直後だった。日本の菅義偉官房長官がこれに呼応したように「(李丙ギ新任秘書室長が)韓日関係のために最善を尽くすだろうと大きく期待している」として公式論評したのも異例だった。
一部では「行き詰った対日関係を打開する大統領の前向きなメッセージが出てくるのではないか」と内心期待した。だが今回の三一節メッセージに特別なものはなかった。演説序盤に日本との協力成果を提起したが、しっかりと慰安婦問題の解決を促した上に教科書わい曲問題まで指摘した。正しい歴史認識の基礎のもとで日本が変わらなければいけないという従来の対日メッセージ構造と似ていた。「斬新な提案なしに原則論だけを強調した」「もどかしさの決定版」という批判が出てくる理由だ。
だが、単に過去表現の繰返しに過ぎないのであろうか。デリケートに変化した外交的修辞(Diplomatic Rhetoric)が込められた行間の隠れた意味を読み取れていないのではないか。これについて中央SUNDAYは「大統領の言葉」を集中的に分析した。就任以降、三一節(2013、2014、2015年)や8・15光復節(2013、2014年)など全5回の記念演説の中に含まれた対日メッセージを通じて、対日観の変化の様相を追跡してみた。
◆演説から「過去」の単語それなりに減少
とりあえず計量分析を実施した。分析の結果、5回の対日メッセージで最も多く登場した単語は「歴史」(26回)だった。特に昨年の三一節では9回も言及された。「歴史」の次に多く議論された単語は「両国」(24) 、「日本」(22)。「国民」(19)、「未来」(18)、「過去」(15)の順だった。両国間で過去の問題が何よりも重要だという意味だ。
時期を分けてみた。就任後、昨年の三一節まで3回のメッセージ(草創期)と、その後2014年の光復節、2015年の三一節など2回のメッセージ(後半期)で分けた。すると時期別に特定単語の言及回数が違っていた。例えば「勇気」という単語は草創期3回のメッセージでは5回出てきたのに後半期2回のメッセージでは1回しか登場しなかった。「痛い」(5回) 、「直視する」(4回)、「責任」(2回)などの語彙は草創期に登場しただけで、後半期には最初から出てこなかった。反対のケースもあった。「交流」(6回)、「解決する」(2回)、「越える」(2回)などは草創期には全く言及されず後半期だけに出てきた。
より精密な科学的分析のためにソウル大学言論情報学部のハン・キュソプ教授に「意味的ネットワーク分析(Semantic Network Analysis)」を依頼した。分析の結果、登場頻度と同じぐらい「連結中央性(centrality)」でも時期別に差を見せる単語が少なくなかった。連結中央性というのは単純な登場頻度ではなく、ほかの語彙とどんな方法で関係を結ぶかを通じて、特定単語の実質的価値を見せる指標だ。
分析の結果、連結中央性が草創期よりも後半期に入って最も大きく下がった単語は「過去」だった。0.324から0.129に下落した。「歴史」(0.332→0.295)、「勇気」(0.154→0.063)、「不正」(0.105→0.014)なども低くなった。一方、「韓日」(0.033→0.184)、「両国」(0.262→0.370)、「文化」(0.036→0.108)などの連結中央性は、後半期に大幅に増加した。
これについてハン教授は「朴大統領の対日メッセージが草創期の過去指向的・否定的言葉から後半期に入って協力的・肯定的表現に変わっている」と診断した。(中央SUNDAY第417号)
直球から隠喩へ…朴大統領の対日発言、緩やかに(2)
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