尹錫ミン（ユン・ソクミン、２９）が古巣の起亜タイガースに帰ってきた。米メジャーに挑戦してから１年ぶりだ。

プロ野球の起亜は「尹錫ミンと米国で会い、契約金４０億ウォン、年俸１２億５０００万ウォンなど４年総額９０億ウォン（約１０億円）で自由契約選手（ＦＡ）契約を結んだ」と６日、明らかにした。４年・９０億ウォンは、昨年１１月に崔廷（チェ・ジョン、２８）が所属チームのＳＫと結んだ８６億ウォンを上回る韓国プロ野球歴代最高待遇。

尹錫ミンは昨年２月、ボルティモア・オリオールズと３年・５７５万ドルの条件で契約した。まだ契約期間が２年残っているが、ボルティモアは残余年俸を支給しない代わりに、起亜に象徴的な移籍料１ドルだけを受けて尹錫ミンを放出した。


尹錫ミンは昨年、ボルティモア傘下トリプルＡのノーフォーク・タイズでプレーした。先発と中継ぎを行き来しながら２３試合に登板し、４勝８敗、防御率５．７４という成績に終わった。契約が２月に遅れ、体をつくる時間が十分でなかった。シーズン中は２度も故障者リストに入った。

シーズン終了後直ちに帰国した尹錫ミンは起亜の練習に参加し、その後はグアムなどで個人トレーニングをしながら再起を狙っていた。しかしボルティモアのショーウォルター監督（５９）が１月、「メジャーのキャンプに尹錫ミンを呼ばない」と述べ、計画に支障が生じた。オープン戦出場が可能なマイナーのキャンプ早期合流名簿にも含まれなかった。

投手陣がそろうボルティモアで尹錫ミンの立場は厳しかった。昨年ボルティモアには２けた勝利投手が４人もいた。マイナー拒否条項も尹錫ミンに不利に作用した。このためボルティモアの立場では昨年振るわなかった尹錫ミンをメジャーに呼ぶ理由がなかった。

こうした中、起亜が速やかに動いたため、契約は一気に進んだ。オ・ヒョンピョ起亜運用室長は「尹錫ミンがフロリダキャンプを出たという知らせを聞いて先月２８日に出国した」とし「悩んでいた尹錫ミンに直接会い、最高待遇を約束して説得した」と伝えた。

当初、下位圏戦力と評価された起亜は、尹錫ミンの合流で大きな力を得ることになった。尹錫ミンは米国で練習していたため、開幕戦にも十分に間に合うとみられる。６日午後に仁川空港に到着した尹錫ミンは７日からチームの練習に合流する。