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【社説】原発再稼働のものさしはただ安全だけだ

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
3年前に設計寿命の30年を迎え停止していた原子力発電所の月城(ウォルソン)1号機の再稼働が決定した。原子力安全委員会は賛成多数で月城1号機の稼動を2022年まで延長する許可案を通過させた。老朽原子力発電所の再稼働決定は2007年に設計寿命を迎えた古里(コリ)1号機が10年間の運転延長を決めたのに続き2番目だ。委員会の決定は韓国原子力安全技術院(KINS)の安全性評価を基に行われた。大規模自然災害などに備えた専門家検証団によるストレステストと国際原子力機関(IAEA)の安全点検も経たという。

そうだとしても韓国政府と該当機関は再稼働に先立ち月城1号機の安全確保に万全を期さなければならない。2011年の東日本大震災の時の福島原子力発電所事故は原子力の2つの顔を如実に示しており、昨年のセウォル号沈没事故以来安全は韓国社会の最大関心事になった。月城1号機の再稼働が委員会の3回目の審査で決まったのはこれとかみ合っているだろう。韓国政府は今回の審査過程で提起された一部安全基準補完措置を取り、反発する住民とのコミュニケーションも強化することを望む。原子力発電所に対する不安と不信が拡大したのは原子力発電所納品不正も一役買っていることを理解しなければならない。

原子力は韓国のエネルギーの根幹だ。全発電量の27%を占める。月城1号機の発電量50億キロワット時(2008年基準)は大邱(テグ)・慶尚北道(キョンサンブクド)の家庭で1年間に使う電力量の80%だ。原子力発電所で生産される値段が安く質の良い電力は韓国経済のひとつの支えでもある。資源貧国で原子力以外の効率的代案を求めるのも大変だ。再生可能エネルギー開発はまだ弱く、火力発電の増大は地球温暖化緩和の流れに逆行する。だが、原子力の安定的確保は原子力発電所の安全に対する国民の信頼なくしては不可能だ。


原子力安全委員会の決定をめぐり野党が政争の対象にしようとする動きを見せているのは残念だ。国の大計がかかったエネルギー問題を世論に便乗して住民不安をあおっては困る。原子力発電所再稼働のものさしは科学と安全であり、目の前の票となってはならない。



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