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【社説】歴史の中に消えた姦通罪=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
姦通罪が、憲法裁判所の違憲決定によってこの地から消えた。不倫を国が処罰する姦通罪は、大韓帝国刑法が公布された当時から110年間にわたり維持されてきた。法の制定当時には、妾を囲う長年の歴史によって一夫一婦制を基礎にした婚姻制度が常に脅威を受ける現実を保護するという望ましい意図があった。しかし一夫一婦制の婚姻慣行が定着する中でこの法は個人の性的自己決定権に対立するという認識が強くなった。「婚姻制度の保護」と「私生活の秘密と自由」が衝突し、姦通罪は長く論議の中心に立ってきた。それで1つの法について1990年から5回も憲法訴訟が提起され、4回の合憲決定の末に5回目で違憲決定がなされたというめったに見ない記録を残した。

時代的な要請と過剰禁止違反、実質的には有名無実になった法を維持する必要があるかなどの理由を挙げて廃止が当然だという憲法裁判所の決定を尊重する。だが今回の違憲決定に達する過程は、韓国社会にもう1つの課題を抱え込ませた。先に5回も違憲審判がなされたこと自体が正常ではなく、違憲審判の論点は同じだが結論が逆になることによって憲法裁判所の権威が損なわれ、憲法訴訟万能主義という良くない慣行を作る可能性があるという点を考えなければならない。姦通罪の争点は、姦通を刑事処罰することが穏当かという1つだった。しかし法だけで考えてみれば4回も合憲決定がされてきたし、今回の合憲意見を出したアン・チャンホ、イ・ジョンミ裁判官の論理も妥当だった。法的には争う余地が依然として多い事案だ。

ここで最も大きな問題は、刑事処罰や刑量を定めるのは立法事案であって、憲法裁判所の判断を求める事案ではないという点だ。それで憲法裁判所も過去の合憲決定当時に「姦通罪廃止の有無に対する立法府の真剣な検討が必要だ」と言及した。実際に姦通罪は長い間の論議の的であり、いくら合憲決定をしても絶えず問題が提起されて、起訴されても刑事処罰されない死文化された法だった。こうした場合には国会が時代的な要請を反映して新しく立法することが正しい順序だ。それでも立法府は敏感な事案を回避して自分たちの仕事を司法府に押し付けた。このような「司法による立法」は権力分立の原則を損ねる恐れがあるという点で国会が真摯に反省しなければならない。


また専門家や社会団体などでは今回の決定について肯定的な反応が多いが、一部では「結婚の義務感が薄くなる」「不倫に免罪符を与えることになる」などの否定的な世論も侮れない。だが姦通罪の廃止は姦通に対して刑事的処罰をしないというだけで倫理的・民事的責任まで免じることができるわけではない。今回の決定で不倫に対する報復手段が消えたという点で民事的に慰謝料の基準を懲罰的水準に高めるなどの措置を要求する声も高い。姦通罪の廃止が社会倫理のき損につながらないように後続措置にも万全を期するべきだろう。



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