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「欧州にデフレの兆し、もうひとつの日本になっている」(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

20年の知己である司空壱顧問(左)とサマーズ元米財務長官はハーバード大学ケネディスクールで会いグローバル経済状況に対して意見を交わした。

ローレンス・サマーズ元米財務長官と司空壱(サゴン・イル)中央日報顧問は20年の知己だ。2人は公職者としては自国の利益のために激しく活動した。いまでは公職を離れ2人の大学者は軽い気持ちで米ハーバード大学ケネディスクールで向き合って座った。

▽司空壱=英フィナンシャルタイムズなどに定期的に寄稿するなど活発に所信を明らかにしてきた。韓国国民と政策担当者、ビジネスリーダーは世界的な経済懸案に対するあなたの見解を直接聞きたがる。まず米国経済は最近どうなのか。

▽ローレンス・サマーズ=米国の短期経済指標はとても良い。特に雇用部門が良く見える。国際原油価格下落と通貨膨脹などの要因が合わさって経済活力が良くなった。だが、まだ2007年以前の経済成長傾向より10%ほど低い状態だ。潜在成長率も相当に落ち込んだ。中間所得家庭の実質賃金もほとんど停滞している。短期的に米国経済は良く見えるが、中期的に強固とは思わない。


▽司空=最近のコラムであなたはインフレの兆しが明確になる時まで基準金利の引き上げを待たなければならないと話した。これに対しサンフランシスコ連邦準備銀行のジョン・ウィリアムズ総裁は漸進的な金利引き上げが必要だと話した。依然としてあなたはインフレよりデフレの可能性を懸念するのか。

▽サマーズ=3種類を理由として述べたい。最初に、最近の(名目金利から物価上昇率を差し引いた)実質金利は過去30年と比べとても低い水準だ。他の条件が大丈夫なら基準金利を低く維持しなければならない理由だ。2番目に(失業率が一定水準以下に落ちればインフレが発生するという)フィリップス曲線を大きく信頼していない。インフレの兆しが明確に表われる前には雇用市場指標の動きを見てインフレの可能性を推定しない理由だ。3番目に、まだインフレターゲット(物価安定目標)の年2%までは余裕がある。さらに物価が2%を少し上回ってもそのために払うことになる費用は多いと思わない。

▽司空=最近ほぼすべての中央銀行が2%をインフレターゲットとしている根拠は何か。

▽サマーズ=現在の物価指数はインフレを誇張して示している。新しい商品の出現と既存商品の質的改善などを反映できていない。消費者がオンラインで商品を購入して得る利点などをまともに反映できていない。さらに現在の基準金利は事実上ゼロ水準であることを考慮しなければならない。現在の物価上昇率がプラスでなければ実質金利がマイナスの時代が訪れるかもしれない。こうした意味から物価上昇率を年1~2%水準よりは2~3%水準で管理するのがむしろ良いと見る。

▽司空=あなたはさまざまな国の経済政策担当者に長期沈滞を警告してきた。理由は何か。

▽サマーズ=市場は長期沈滞のリスクが高まっているとみている。債券市場の指標を見れば知ることができる。今後10年間の先進国の平均的な実質金利がマイナスであることを示唆する。投資と比べ貯蓄が多い時に現れる現象だ。



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