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業績不振に大規模減員、相次ぐ売却説…赤信号灯る韓国の広告業界

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国最大の広告会社である第一企画は昨年5年ぶりに売り上げが減少した。金融危機に見舞われた2009年以降で初めてだ。広告会社の売り上げ指標である営業収益は2兆6662億ウォン(約2870億円)で前年比1.59%、営業利益は1267億ウォンで2.47%減った。中堅企業の事情はもっと良くない。業界7位のオリコムは昨年1~第3四半期の売り上げが1年前より13.4%減り、12年ぶりに営業損失まで出した。

「景気のバロメーター」と呼ばれる広告産業に赤信号が点灯した。広告主である主要企業が緊縮経営に入った上に消費心理が回復せず仕事が減っているためだ。広告会社は海外市場進出と新事業発掘などに突破口を求めるため全力を挙げている。

◇「景気のバロメーター」不況に直撃弾


韓国の広告市場は経済成長率を下回る年1~2%台の成長にとどまっている。韓国放送広告振興公社が集計した昨年の総広告費は10兆9722億ウォン(約1兆1806億円)で前年比1.6%の増加にとどまった。昨年は冬季五輪、ワールドカップ、アジア大会など大型スポーツイベントが多く、広告業界は好況を期待した。だが、セウォル号事故の余波で景気が冷え込み、主要企業の業績が鈍化しそうした期待感は水の泡になった。

最近広告業界では「売却」「人員削減」のような厳しい単語が飛び交っている。SKプラネットは昨年末に広告事業を担当するM&C部門を整理するためロッテグループ系列の大弘企画に買収の意向を打診したとされる。金剛オグルヴィをはじめとする複数の中堅広告代理店は2桁の人員削減を実施したという。ある大手広告会社関係者は、「ほとんどすべての企業で欠員が出ても補充しない方式で人員削減を進めている。今年の新規採用はほとんどないだろう」と話す。

◇企業が好調でこそ広告市場も生きる

韓国広告主協会のクァク・ヒョク常務は、「広告市場は広告主である企業がうまくいってこそ好循環ができる。建設、流通、金融、自動車などさまざまな業種で業況が悪化し、今年も広告費を増やすという企業はほとんどない」と話した。経済全般の活力が生き返らない限り広告市場の憂鬱な状況は当分続くだろうという話だ。

1~2年前からモバイルゲーム、配達アプリケーション、ソーシャルコマースなどIT業種を中心に新規物量が一部で増えたりはした。だが、伝統的な大型広告主の離脱を挽回するには限界があるというのが業界最前線の関係者の説明だ。業界関係者は、「過去に10億ウォン未満のプロジェクトには入札しなかった中堅企業が最近では5億ウォンのプロジェクトにも飛び込んでいる」と雰囲気を伝えた。

◇共通の課題は「新たな収益源探し」

広告会社は海外進出と買収合併(M&A)などを通じて新たな収益源探しに没頭している。新聞、雑誌、テレビ、ラジオの伝統的な4大媒体中心の広告から抜け出し、「コンテンツ」全般に事業領域を拡大しようという動きも相次いでいる。

第一企画は今年初めに新事業専従組織の「ビヨンド第一」本部を代表理事直属で新設した。有望創業企業に対する投資など広告以外の新事業を模索するためだ。米マッキニー、中国ブラボー、英アイリスなどを相次いで買収し、デジタルマーケティング分野も強化した。イノーシャンはCJ E&M、NEW、インターパークなどと文化コンテンツ投資組合を結成し、映画、ミュージカル、コンサートなどに対する直接投資に出る計画だ。HSアドは広告主の製品開発にまで参加する「オーバー・ザ・レインボー」事業部を新設し、TBWAコリアは広告制作チームとデジタルマーケティング部署を統合した。

ある外資系広告会社役員は、「以前にはメディア広告を制作しコミッションを得る安定した収益構造だったが、いまではオンラインとオフラインを行き来する統合マーケティング能力がなければならない」と説明した。広告協会関係者は「それでも事業多角化を展開する能力がある企業は上位4~5社程度。零細中小広告企業は試みすらできずにいる」と話している。



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