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【コラム】墜落する韓国の中産層、翼はあるか(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
2009年、サブプライムローン問題で米国経済がどん底に陥っている時だ。同年にバラク・オバマは米国の歴史上初の黒人大統領になった。米国研修中だった私はオバマの政治的故郷であるシカゴ南部13区域に行きたかった。彼はここで州議会上院議員に出馬して政界に入った。この地域はシカゴ大学周辺の中産層地域と西側の黒人貧困層地域を含んでいる。経済学で有名なシカゴ大学と周辺の科学博物館も立ち寄る計画だった。ところが車に乗らずトラムを利用するというのは誤った判断だった。超高層ビルが並ぶダウンタウンを抜けるとすぐに殺風景が広がった。車窓の外の建物はほとんどが古く、ガラス窓が割れているところも多かった。

シカゴ南部のガーフィールド駅に降りると、駅前のハンバーガー店のガラス窓は割れており破片が道に散らばっていた。その時、向かい側にいた長身の黒人1人が私たち家族に向かってくるとお金を要求した。何を飲んだのか目の焦点が合っていなかった。真昼なのに冷や汗が出た。幸いバスがすぐに到着して難は逃れた。

帰ってくる時は相当なお金を払ってタクシーに乗った。来る道にはミシガン湖に沿って高級コンドミニアムとビルが絵画のように広がっていた。ひとつの都市にこうした極端な姿が並存するとは、米国の深刻な貧富の格差を実感することができた。同年米国は中産層の没落が大きな社会問題に浮上した。自動車産業の沈滞で直撃弾を受けたデトロイト市では解雇労働者の妻が生計のため売春に出ているという報道が出された。住宅モーゲージを返済できず家から追い出され、安いモーテルを転々としたりテントで生活する人が生まれた。


6年が過ぎた今年、オバマ大統領の年頭教書演説は自信がみなぎっていた。成長、雇用、消費など、すべての経済指標が回復しており、そうするだけのことはあった。彼は「高所得層の増税を推進し、中産層回復に乗り出す」と力説した。だが、オバマは年頭教書演説で中産層から激しい向かい風を受けた。税制優遇条項をひとつなくしたためだった。この条項は子どもの大学学資金準備のため金融商品に投資する場合、年間1万4000ドルまで所得控除し投資収益に対して非課税とする制度だ。この恩恵を受ける世帯の70%は年間所得15万ドル未満の中産層だ。オバマは世論が悪化するとこの条項廃止の方針を1週間で撤回した。



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