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FTA発効後もワイン価格が下がらない理由=韓国(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
マージン率が落ちてもワイン価格が下がらない理由はアイロニーにも過度な業者間の割引競争のためだ。今後割引することまで考慮して消費者価格を高く設定しているのだ。韓国の有名ワイン輸入業者関係者は、「最近は定価で買う客がどこにいるのか。あまりにも割引を求めるのでわれわれ(輸入商)も少し高い水準で価格を設定する」と話した。輸入業者が百貨店や大型マートにワインを納品するのにかかる人件費と残ったワインを保管する倉庫費用も消費者価格に上乗せする。あるワイン業界関係者は、「百貨店や一部大型マートは輸入商にワイン売り場を賃貸し、絶えず割引マージンを要求する。人件費だけでなく在庫が発生してもわれわれがすべて責任を負わなければならない」と話す。

輸入商が卸売と小売りを経ずすぐに消費者に販売すれば20%以上の価格バブルを減らせるだろうが、店舗賃貸費、施設設置費、人件費など初期投資費用をまかなうのは困難というのが業界の雰囲気だ。インターネット販売など通信販売も米国や日本、香港などと違い禁止されている。これにより百貨店や大型マートのワイン割引行事を通じてワインを購入する消費者がますます増加している。これと関連して業界関係者は、「政府では青少年酒類販売などを理由にインターネット販売を禁止しているが、実際には焼酎やビールメーカーがワインだけに特恵を与えるとして強く反対している影響が大きい」と説明した。

韓国のワイン市場の特性もワイン価格を下げるには不利な構造だ。現在韓国のワイン市場規模は約5000億ウォンで、米国の約173兆ウォンとは比較にならない。消費者価格を引き下げても薄利多売できる規模にはならないというのが企業の主張だ。韓国のワイン輸入最大手のクムヤンインターナショナルの年間売り上げが700億ウォン台だ。


ワイン需要が特定の商品に偏っているのも問題だ。モンテスアルファもそのうちのひとつだ。韓国貿易協会によるとモンテスアルファを含むチリ産ワインの輸入量は2004年の2281トンから昨年は8685トンで、10年で4倍に増えた。昨年最も多く輸入されたワインもチリ産で、国別上位10大ワインのうち26.5%を占めた。韓国での需要が急増しチリのワイナリー側も価格を引き上げる傾向にある。

◆市場は小さく、人気ブランドへの偏り激しく価格下げられず

クムヤンインターナショナル関係者は、「毎年ワイン1本当たり3~5%ずつ原価を上げている。最大限価格協議過程で引き上げを抑制しているが困難が多い」と話した。ナラセラーが98年から輸入しているモンテスアルファの場合、これまでに700万本以上が売れた。単一ブランドでは最多販売量で、韓国の成人人口3900万人のうち約6人に1本の割合でこのワインを飲んだことになる。

イーマートでワインバイヤーを担当するシン・グンジュン氏は、「韓国の赤ワインはチリとフランス産が60%を占め、白ワインもモスカートとシャルドネ品種が大部分。消費者が楽しむ品種と味が多様化されれば小売店も自然に高額なプレミアムワインから手を引き安い価格でさまざまなワインをそろえ価格が低くなるだろう」と話した。

しかし一般小売り商は「低価格」ばかりを強調する流通大企業のためにむしろ多様性が減ったと批判する。

ソウル・江南(カンナム)でワインバーを運営するA社長は、「大型マートが時期に関係なく割引行事を行ったため消費者の間に“ワイン価格=マート価格”という公式ができた。良いワインを輸入しても品種や味は見ないで無条件に高いというので結局安いワインばかり入れたり赤字で廃業しなければならない」と訴えた。

モンテスワインを輸入するナラセラーの関係者は「モンテスアルファは2002年のワールドカップ組み合わせ抽選行事と2005年のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会談などの夕食会で使われ認知度が大きく上がった。それにもかかわらず3年間にわたり価格を据え置いており、今年も3~4月からモンテスアルファ2012年ビンテージを以前の価格そのままで販売する計画だ」と明らかにした。



FTA発効後もワイン価格が下がらない理由=韓国(1)

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