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“韓国製造業の心臓”蔚山が病んでいる(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

稼働が中断している大手企業S社の蔚山化学産業団地内のスチレンモノマー工場全景。景気が良い時は1年を通じて白い煙が止まらなかった工場の煙突だが、昨年7月からは工場の稼動が中断された。

蔚山(ウルサン)石油化学産業団地に位置する大企業S社のスチレンモノマー工場。景気が良い時はスチロフォームの中間財であるスチレンモノマーを年間26万トン生産していたが、昨年7月に完全に稼動を止めた。工場を作るだけで1700億ウォン(約185億円)がかかった大規模施設だ。工場の稼働が中断し関連従業員は他の部門に異動させた。現在は32人のうち8人だけが残り最小限のメンテナンス作業をする。この工場の稼動責任者を務めるチーム長のキム・ジュンホ氏は「いつ再稼働するかもわからない工場だ。残念なだけだ」と苦笑した。事情は周辺のテレフタル酸(TPA)生産工場も同様だ。TPAはペットボトルの原材料になる中間素材だ。年間52万トンを生産したこの工場もやはり現在は完全に止まっている。98人いた従業員もやはりばらばらになった。この工場のイム・グハ生産チーム長は、「中国の合成繊維原料自給率は2013年に61%だったが1年ほどで90%台半ばに上昇した。稼動すればするほど赤字がかさむためやむを得ず工場を止めている」と話した。

40年間にわたる好況に頼っていた韓国の産業首都蔚山の勢いが衰えている。石油化学と重工業が大規模受注不振と輸出減少により重患者のような状況を免れられなくなっている。どうにか自動車産業が持ち堪えている。蔚山経済の3本の軸のうち2本がその役割を果たせずにいるのだ。

不況の谷間が最も深いのは石油化学だ。ナイロンの原料であるカプロラクタムを生産するカプロは2013年10月に3カ所の工場のうち1カ所の稼動を完全に中断し、昨年8月にはもう1カ所の稼動率を20%台に下げた。この会社は2012年に2万964トンのカプロラクタムを中国に輸出したが、2013年には輸出量が99.8%も減少し厳しい状況に追い込まれた。


蔚山地域の盟主のひとつである現代重工業もやはり昨年第3四半期まで3兆2000億ウォンを超える赤字を記録し、現在事務職1500人余りの早期退職を実施中だ。

大企業と輸出企業の不振は中小企業の危機と地域商圏の衰退を招いている。蔚山市東区で焼き肉店を営む44歳の女性店主は23日、午後9時を過ぎるとすぐに明かりを消して店のシャッターを下ろしてしまった。これ以上営業しても来るお客はいないと判断したためだ。



“韓国製造業の心臓”蔚山が病んでいる(2)

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