稼働が中断している大手企業S社の蔚山化学産業団地内のスチレンモノマー工場全景。景気が良い時は1年を通じて白い煙が止まらなかった工場の煙突だが、昨年7月からは工場の稼動が中断された。
40年間にわたる好況に頼っていた韓国の産業首都蔚山の勢いが衰えている。石油化学と重工業が大規模受注不振と輸出減少により重患者のような状況を免れられなくなっている。どうにか自動車産業が持ち堪えている。蔚山経済の3本の軸のうち2本がその役割を果たせずにいるのだ。
不況の谷間が最も深いのは石油化学だ。ナイロンの原料であるカプロラクタムを生産するカプロは2013年10月に3カ所の工場のうち1カ所の稼動を完全に中断し、昨年8月にはもう1カ所の稼動率を20%台に下げた。この会社は2012年に2万964トンのカプロラクタムを中国に輸出したが、2013年には輸出量が99.8%も減少し厳しい状況に追い込まれた。
蔚山地域の盟主のひとつである現代重工業もやはり昨年第3四半期まで3兆2000億ウォンを超える赤字を記録し、現在事務職1500人余りの早期退職を実施中だ。
大企業と輸出企業の不振は中小企業の危機と地域商圏の衰退を招いている。蔚山市東区で焼き肉店を営む44歳の女性店主は23日、午後9時を過ぎるとすぐに明かりを消して店のシャッターを下ろしてしまった。これ以上営業しても来るお客はいないと判断したためだ。
“韓国製造業の心臓”蔚山が病んでいる(2)
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