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【社説】李完九首相候補にかける期待=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
朴槿恵(パク・クネ)大統領が昨日、新首相候補に李完九(イ・ワング)セヌリ党院内代表を指名し、一部の青瓦台(チョンワデ、大統領府)秘書陣交代人事を発表した。李首相候補の重用説は以前から政界に広まっていた。しかし院内代表の任期満了(5月)前に早期起用したのは、執権3年目を迎え、党青関係、対野関係を改善し、国政運営に新しい風を吹き込むという朴大統領の意志が反映されたとみられる。チョン・ユンフェ文書流出事件、ウム・ジョンファン前青瓦台行政官の文書背後発言波紋に続き、サラリーマンの公憤を招いている年末調整問題など、相次ぐ悪材料による民心離反と支持率低下を防ぐために朴大統領が動いたという点で、首相の交代は遅い感じはするが幸いだ。

しかし刷新と疎通を要求してきた民心の声を十分に受け入れたかという点では、国民の期待と要求には大きく至らない人事だった。まず、国政混乱と紀綱弛緩を招いた責任の中心にいる側近秘書官3人と金淇春(キム・ギチュン)秘書室長を留任させたのは残念だ。朴大統領は青瓦台組織改編の後続作業が残っているという理由で「当分」という札を付けて金室長を留任させ、チョン・ホソン第1付属秘書官にも現在の席を維持させた。李在万(イ・ジェマン)秘書官は総務秘書官職は維持するものの、人事委員会に出席しないようにした。アン・ボングン秘書官は自分が所属していた第2付属秘書官室が廃止されたことで、広報パートに水平移動するという。

これは朴大統領が新年記者会見で見せた金室長と3人の秘書官に対する無限の信頼が変わっていないことを立証している。このように国民的な要求を避けた人事措置に対し、野党からも「金室長と側近秘書官3人に対する人事措置が確実に取られず極めて残念だ。厳重に問責すべきだという国民の要求に背を向けた」(新政治民主連合の金聖洙報道官)、「小豆のないまんじゅうのような人事措置」(進歩党の金鍾民報道官)と反発している。青瓦台が刷新の核心的な要素が抜けた人事改編を通じて、果たして国民の共感を得て、国政動力に活力を与えられるのか疑問だ。


このような状況では李首相候補にかける期待が相対的に高まるしかない。親朴槿恵系に分類される李首相候補は忠清南道知事を務めた3選議員だ。野党との関係も円満で、人脈も広い。このため党・政府・青瓦台はもちろん、与野党の疎通を円滑にし、関係を正常化できるだろうという期待を集めている。青瓦台も「経済革新課題の推進、公職社会の紀綱確立、国民への奉仕と疎通の適任者」(尹斗鉉広報首席秘書官)という点を評価している。このため李候補は今後、後続の内閣改造で所信と哲学を持って積極的に声を出し、責任ある首相として権限を行使する新しい姿を見せることを期待する。「大統領に苦言と直言をする首相になる。最後の公職という覚悟で献身する」という李候補の言葉が虚言にならないことを期待する。

青瓦台は政策調整首席秘書官(新設)に玄定沢(ヒョン・ジョンテク)国民経済諮問会議副議長を抜てきするなど、3人の首席秘書官を入れ替え、4人の特補を新たに選任した。各分野で専門性と経験を積んだ重量感のある人物が特補団に布陣され、目を引く。しかしこの人たちが世論と民心の伝達窓口として役割をするには、常に大統領に会って国政を議論できる道が開かれていなければならない。疎通システムの変化がない特補団の新設は空転し、非難ばかり招いた歴代政権の教訓を銘記しなければならないだろう。

青瓦台は今回の改編が国民的な期待に及ばないという世論に耳を傾け、後任の秘書室長人事を通じて信頼を回復し、新たにスタートする契機にしなければいけないだろう。青瓦台秘書室が大統領を助けるどころか負担になっていた現実と果敢に決別しなければいけない。青瓦台秘書室が所信に従って能力を発揮すれば、大統領と国民の間の距離は縮まり、疎通問題も消えていくだろう。こうした形の改編があってこそ、時代的な流れに合う人事となり、乱れた青瓦台の紀綱を正す転機になるはずだ。



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