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【社説】チラシにこだわる捜査で国民が納得するのか

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
検察が昨日発表した「チョン・ユンフェ動向文書」の中間捜査結果は、5週間かけた成果としては非常にみすぼらしい。

ソウル中央地検は昨年12月初め、特殊2部と刑事1部所属のすべての捜査要員を投入し、文書流出の経緯と、チョン・ユンフェ氏と青瓦台(チョンワデ、大統領府)の李在万(イ・ジェマン)秘書官らが世界日報を相手に告訴した名誉毀損事件を調査した。検察は発表文で、「チョン・ユンフェ文書」はパク・グァンチョン警正が事実確認なく作成し、趙応天(チョ・ウンチョン)前青瓦台公職紀綱秘書官の指示でパク警正が関連文書を朴志晩(パク・ジマン)EG会長側に伝えた、と明らかにした。昨年2月に青瓦台派遣が解除されたパク警正がソウル警察庁情報分室に保管していた文書の一部を、ハン警衛らが持ち出し、報道機関と企業に渡したというのが、検察の説明だ。検察はパク警正を拘束、起訴し、趙前秘書官ら2人は在宅起訴した。

長いあいだ青瓦台はもちろん、政界とメディア、検察などを騒がせた事件としてはあっけない結果だ。趙前秘書官が17件の青瓦台文書を朴会長に伝えた理由、チョン・ユンフェ氏と青瓦台の側近3人の人事介入疑惑の部分は明らかになっていない。


検察側は「趙前秘書官が政治的な野望のため、朴志晩会長に文書報告を口実に接近したようだ」と明らかにしている。また「パク警正が作成した報告書で取り上げた『十常侍会合』などが実在しないと発表された状況で、国民が知りたがっているという理由で彼らの利権介入疑惑を捜査するのは司法手続きにも合わない」と釈明した。

しかし国民の立場では、文書流出などの青瓦台「セキュリティー事故」に劣らず、大統領側近の国政壟断疑惑に対する「実体的真実」究明も重要だ。過去のすべての政権で側近の不正が発生した点を考えれば、国民がこれに関心を向けるのは当然だ。建国から李明博(イ・ミョンバク)政権まで、息子や兄など家族・親戚はもちろん、大統領との親しさを前面に出して虎の威を借る人たちの虚勢を国民はうんざりするほど経験した。

法理的にも世界日報の名誉毀損容疑を確認するためには、チョン氏らの国政介入疑惑に対する捜査がなければならない。しかしこの部分に対する捜査が「取材の過程で手に入った文書が真実だと信じた相当性(社会通念上認められる水準)があるかを確認しなければならない」とし、ためらうような態度を見せている点も遺憾だ。

社会は検察が今回の捜査に積極的な意志を見せたかについても懐疑的な視線を送っている。検察としては捜査初期の朴槿恵(パク・クネ)大統領の「チラシ」発言で捜査の幅が限定されるしかなかったが、関係者を呼んで調査もしない点は納得しがたい。青瓦台の人物のうち李在万秘書官だけが呼ばれて調査を受けただけで、洪景植(ホン・ギョンシク)前民政首席秘書官らは書面調査に変えた。このため「大統領が捜査にガイドラインを提示した」「検察が法理をもとに政治的な判断をした」という指摘が出るのではないのか。

さらに捜査中に自殺したチェ警衛とその家族の「民政首席室懐柔説」主張に対する調査が行われないのも、検察の捜査の公正性と信頼性を崩す要素だ。検察出身の金英漢(キム・ヨンハン)民政首席秘書官と禹柄宇(ウ・ビョンウ)民政秘書官を通じて「捜査指針」を受けるという不必要な誤解を招く必要があるだろうか。

検察の中途半端な捜査が国民の期待とはかけ離れた「拙作」と評価され、野党からは「特検を導入するべきだ」という主張が出ている。検察は朴大統領の発言を受け、文書流出の部分にのみこだわったのではないか振り返るべきだろう。検察は権力に対抗した時に存在価値があり、国民から拍手を受けた。「勇気ある公平な検事」を強調した検事宣誓文を再確認し、検察は今回の事件の実体的真実と国民の望みが何か、改めて考えることを願う。



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