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【社説】韓国経済の回生、政労使の大妥協にかかる

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国政府が来年の経済政策方向を確定した。景気活性化と成長潜在力の向上の二兎をつかむというのが目標だ。相対的に短期浮揚に傍点が打たれた今年とは違い、構造改革側に重心を移した。中長期成長潜在力を高めるのが韓国経済の回生の道だと考えたのだ。政府が特に「労働市場・公共・教育・金融」を「4大核心改革対象」に選んだのもそのためだ。崔ギョン煥(チェ・ギョンファン)経済副首相は「これら4大分野の改革を通じて経済体質を改善しなければ韓国経済に未来はない」とし「(構造改革は)至難の道だが、必ず行かなければいけない道」と強調した。

政府の来年の見通しはそれほど悪くない。来年の経済成長率目標を3.8%とした。政府が新年の予算案発表で提示した4.0%より0.2ポイント低いが、依然として経済協力開発機構(OECD)ではトップ圏だ。雇用・物価・経常収支などマクロ指標も悪くない。今年(65.3%)より高い66.2%の雇用率、たばこの値上げなどで今年より0.7ポイント高い2.0%の物価上昇率、原油価格の下落などによる820億ドルの経常収支黒字の達成などを政府は見込んでいる。問題は政府が見てもこうした指標は持続可能でないという点だ。

来年の世界経済は一寸先が見えない。原油価格急落によるロシアなど新興国の危機、来年上半期と予告された米国の利上げ、欧州経済の沈滞長期化、中国の成長鈍化と円安の加速まで、薄氷だらけだ。このうちどれか一つでも対応を間違えれば、経済が大きく揺れるおそれがある。中をのぞくと問題はさらに多い。少子高齢化に対する恐怖と増える家計負債で経済活力は落ちている。消費・投資心理はすでに底にある。スマートフォン・造船・鉄鋼など主力製造業の不振も続いている。内外のこうした慢性的・構造的な悪材料を乗り越えるには普通の処方ではいけない。


政府が新年の重点課題として公共・人的資本(労働・教育)部門の体質改善、金融・実物の好循環、内需・輸出均衡経済の達成の3大目標を前面に出したのも、こうした苦心の結果だ。内需を活性化し、輸出依存構造から抜け出すのは、韓国経済の以前からの課題だ。答えはすでに出ている。雇用と所得を増やすことだ。金融・教育・観光・医療などサービス産業の育成と果敢な規制緩和が方法だ。政府は「緩和すべきものはすべて緩和する」という覚悟だが、問題はやはり国会だ。経済活性化法案が国会で挫折する状況が繰り返されれば百薬が無効になるしかない。

最大のカギはやはり構造改革、その中でも労働市場改革だ。労働改革には定年延長、通常賃金、非正規職の保護、雇用の柔軟性向上など難しい事案が多い。一つ間違えれば韓国経済をまるごと揺さぶる雷管となる。政府は政労使委員会を通じて先週末まで社会的な大妥協を実現すると主張したが、まだ進展はない。政府は合意できない政府案を強行するという方針だが、不必要な葛藤を深めるおそれがある。労使はお互い少しずつ譲歩し、政府はどちらか一方の犠牲がないように支援し、必ず大妥協を成し遂げなければいけない。韓国経済の将来はここにかかっている。



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