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【コラム】大統領が問題だ=韓国(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「チョン・ユンフェ波紋」の終着地が表れつつある。流出の過程は輪郭が見える。文書内容も事実無根という結論に向かっている。捜査はこのように流れに乗っているが、それで疑惑を払拭できるかどうかは疑問だ。検察の説明には、釈然としない、もう少し糾明が必要な部分がなくはない。そのような部分をいちいち問い詰めたくはない。しかし必ず解明するべきことがある。「秘線(影の人物)」が国政に影響を及ぼしたかどうかという疑問だ。

朴槿恵(パク・クネ)大統領としてはもどかしく感じるかもしれない。名前が挙がっている人物は以前から“お手伝い”のようなことをしてきた秘書だ。彼らが国政を壟断した“実力者”といえばあきれるかもしれない。それで「影の人物は珍島犬だった」という比喩までしたのだろう。しかし朴大統領ほど青瓦台(チョンワデ、大統領府)生活を長くした人もいない。権力の属性を誰よりもよく知っているはずだ。なら、いま提起される疑惑は簡単に済ませてはならない。

金大中(キム・デジュン)元大統領が自宅軟禁から解かれた直後の1987年、数カ月間にわたり早朝に訪ねて朝食を一緒にしたことがある。訪ねた記者はしばらく筆者1人だった。すると東橋洞(トンギョドン)を出入りする政治家が接近した。このように権力は位置ではなく最高権力者との距離から生じる。


朴大統領は「チラシなどに出る話にこの国全体が揺れるというのは大韓民国が恥ずべきこと」と述べた。実際に恥ずべきことは「揺れること」ではなく「チラシのような話」だ。そのような話を信じさせた環境だ。問題はチョン氏でなく朴大統領ということだ。

劉震竜(ユ・ジンリョン)前文化体育観光部長官の証言はいくつかのことを考えさせる。朴大統領が任命した長官も「秘線」が存在すると信じた。朴志晩(パク・ジマン)氏との葛藤は、朴氏がチョン氏を影の人物と信じたからだ。したがってメディアや国民を叱ることでない。なぜこういう状況になったのか。事実かどうかを問いただす前に、そのような構造から変える必要がある。

このような噂は以前からあった。野党議員時代、候補時代にもあった。一人でできない重要な決定・発言・人事をしたが、公式ラインでは誰も知らないケースが一度や二度ではなかった。このため誰がそのような役割をするのかが、記者たちには古くからの宿題だった。

野党議員なら非公式に助言を受けることをとやかくいう人はいない。しかし大統領は違う。大統領の決定は国政を左右する。検証されていない人が影響を及ぼせば大変なことだ。そのような考えが今回の問題の出発点だ。朴大統領がチョン氏を使うこともできる。そのためには位置を与えなければいけない。民間人は監査機関が調査することはできない。メディアの検証も避ける。



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