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【社説】なぜ権力暗闘で国民が被害を受けなければいけないのか=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国の歴代政権は青瓦台(チョンワデ、大統領府)権力と秘線権力に絡む不正と葛藤で大きな傷を負った。事件ごとに生じた破裂音は国政の動力を大きく損なわせた。結局、政権はもちろん、国民と国家が被害を受けた。

金泳三(キム・ヨンサム)政権当時は大統領の息子が最高の秘線だった。息子が人事に介入し、利権を握りながら国政を壟断した。金大中(キム・デジュン)政権時代は大統領の3人の息子が秘線だった。特に二男は青瓦台秘書官と深くつながり、国政に介入した。3人の息子のうち2人が監獄に行った。

李明博(イ・ミョンバク)政権では首相室公職倫理支援官室の民間人査察波紋が政権を揺さぶった。大統領と出身地域が同じ青瓦台核心秘書官が事件と深く関わった。査察対象となった与党議員が暴露し、捜査過程で関係者がお互い責任を転嫁し、政権の信頼度は大きく落ちた。


いわゆる「チョン・ユンフェ文書」波紋はいくつか危険要素を含んでいる。「秘線」の心理的背景となる大統領の不透明、相次いだ人事雑音、大統領側近の秘書官3人と公職紀綱秘書官の葛藤、文書流出という1級保安事故、青瓦台公式報告書の質の問題、大統領の弟の事件関与などだ。こうした要素を見ると、今回は前政権が経験したものよりはるかに深刻だ。

国民が納得できないのは、なぜこうした権力の葛藤で国家と国民が被害を受けなければならないのかという点だ。今この国は、対話と対決の岐路に立った南北関係の突破口摸索、沈滞する経済の回復、公務員年金改革など、国家的な課題が山積している。これは大統領と青瓦台が国政の軸となり、野党まで含む政界が協力しても解決するのが難しい。ところが執権2年にもならない政府が幽霊のような権力の暗闘という悪材料に巻き込まれているのは非常に残念だ。

この状況をできる限り早く、そして正しく整理しなければならない。検察は迅速かつ徹底的な捜査で文書の内容と作成・報告・流出、青瓦台の措置などをめぐる真実を明らかにするべきだ。社会は落ち着いて検察の捜査を見守らなければいけない。特に政界は不必要な政争を排除し、予算案の処理後、必要な各種立法措置にまい進することが求められる。

検察の捜査とは別に、朴槿恵(パク・クネ)大統領は疎通が不足した国政運営スタイルを見直し、内部の雰囲気を引き締めなければならない。特に側近の秘書官3人が権力を乱用したことが明らかになれば、容赦なく整理するべきだろう。3人は大統領の政治家時代から近くにいた補佐陣だ。それだけに大統領を効率的に補佐することができる。しかし別の一方では権力の誘惑に露出する危険も大きい。歴代政権でも最も近いところで事件が起きている。これを管理する責任は大統領にある。結局、今回の事態が収拾され、国政運営が正常化する道は、大統領の冷徹な状況認識と決断にかかっている。



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