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「安定の中の緊張」選んだサムスン…金融危機後最小の社長団人事(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
土曜日の先月29日午前9時。ソウルのサムスン瑞草(ソチョ)社屋で未来戦略室長の崔志成(チェ・ジソン)副会長と鄭賢豪(チョン・ヒョンホ)人事支援チーム長(副社長)、朴学圭(パク・ハクキュ)経営診断チーム長(副社長)が順に入った。

崔室長は週末にもたびたび会社を訪れたが、人事と経営診断チーム長まで出勤したのは異例だった。彼らはこの日メディアの露出を避けるため出前の弁当を食べ「2015年サムスングループ社長団人事案」を最終調整した。翌30日午後に日本出張から帰ってきた李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長が瑞草社屋に入った。李副会長は1時間ほど事務所にとどまり人事案に対し報告を受けた後最終裁可して帰って行った。

1日午前に発表されたサムスングループの2015年社長団人事はこのように李在鎔副会長主導の最初の人事だ。それも前例がない状況で行われた。“ギャラクシーショック”に代弁される主力事業の不振、サムスンテックウィンなど系列会社の相次ぐ売却決定、その上父親の李健熙(イ・ゴンヒ)会長が闘病中で経営に全く関与できない状況など多くの悪材料が重なった中で断行されたためだ。


苦心の末の人事に込められた李副会長のメッセージはそのため「大きく揺さぶらない代わりに緊張感は最大化する」に要約される。組織の動揺は最小化するが業績反転の突破口を求められるようグループ全体に強い警告を送るためだ。

社長団人事発表後の李濬(イ・ジュン)サムスン未来戦略室コミュニケーションチーム長による説明もこうした基調が盛り込まれた。「今年はサムスン電子を含め多くの会社で経営業績が振るわなかった。安定基調の中で昇進人事を含めた人事幅は例年に比べ縮小する方向に決定された」。

実際に今回の社長団人事規模は2008年の金融危機以降で最小幅だ。昇進人事3人を含む社長団人事11人がすべてだ。サムスンSDI、サムスン電機、サムスン証券、エスワン、サムスンBP化学の系列5社を除き全系列会社で代表が留任された。人事幅だけが少ないのではない。李在鎔副会長らオーナー3世の昇進もなかった。

特に更迭説が飛び交ったスマートフォンの総責任者申宗均(シン・ジョンギュン)サムスン電子ITモバイル(IM)社長が予想を破り留任したのが目につく。これによりこれまで主力会社であるサムスン電子を率いてきた半導体の権五鉉(クォン・オヒョン)副会長、消費者家電の尹富根(ユン・ブグン)社長、ITモバイルの申宗均社長の“三角編隊”体制はそのまま維持された。



「安定の中の緊張」選んだサムスン…金融危機後最小の社長団人事(2)

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