サムスングループが李健熙（イ・ゴンヒ）会長就任２７年となる１日に社長団人事を断行する。当初計画より操り上げた人事だ。今回の人事はいつになく関心が高い。李健熙会長が闘病中のため事実上李在鎔（イ・ジェヨン）副会長が主導する最初の人事になった上に、崩れ落ちた「ギャラクシー神話」を復活させるための後続措置の性格が強いためだ。全般的なグループの業績不振にせわしなく続いた系列会社間の合併にともなう社長団の去就にも注目が集まる。

サムスンは今回の人事で変革の代わりに安定に重点を置く側に方針を固めた。

まず李在鎔副会長をはじめとする総帥一家は昇進や職務変更など大きな変化はないものとみられる。半導体部門を率いる権五鉉（クォン・オヒョン）代表理事（副会長）、消費者家電（ＣＥ）部門を総括する尹富根（ユン・ブグン）代表（社長）、ＩＴ・モバイル（ＩＴ）を担当する申宗均（シン・ジョンギュン）代表（社長）などサムスン電子３部門のトップもそのまま留任するとされている。


李副会長は３０日午後、ソウル・瑞草洞（ソチョドン）のサムスン社屋に出勤し１時間にわたり人事案に対する報告を受けた後最終裁可した。

特に申ＩＭ部門社長は当初スマートフォン実績不振の責任を取り現業から退く可能性が内外で提起されていたが、実績反転を通じた名誉回復の機会を得たとみられる。

申社長は先月２７日に李在鎔副会長の日本出張に随行した後翌日単独で帰国した。彼はすぐに瑞草洞社屋に出勤した後、高位役員会議まで開いたという。また、１日からは中国と欧州への出張も計画されている。

サムスングループ関係者は、「これまで外信と市中に飛び交った話とは違い、サムスン電子の核心経営陣に変化はない。ただ彼らに業績回復に対する強力なメッセージを伝えたものと承知している」と話した。

しかしスマートフォン事業を主導したＩＭ部門の縮小は確実視されている。特に内外のスマートフォンマーケティング戦略を立ててきたイ・ドンジュ無線事業部戦略マーケティング室長（社長）が個人事情で退任し、ＩＭ部門メディアソリューションセンター（ＭＳＣ）の洪元杓（ホン・ウォンピョ）社長ら経営陣は組織再編により無線事業部に席を移すことになる。

ＩＭ部門は申社長を含め社長だけで７人おり、このうち５人が無線事業部に布陣している。このために組織が必要以上に大きくなり、指揮系統も混在しているため、一糸不乱で機敏な体制を整えなければならないという圧迫を受け入れた。また、将来の収益源を研究してきたサムスン総合技術院は特許と一部研究開発機能だけ残しグループ内のさまざまな研究所を管理する機能だけ担当することになる見通しだ。