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【コラム】黙々と働く人々の偉大なドラマ=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
10日に亡くなったという事実が遅れて世の中に知らされた日本の俳優、高倉健(1931~2014)は韓国の観客にとっても顔なじみだ。日本はもちろん、いくつかのハリウッド映画でもヤクザや刑事といった強いキャラクターを演じていち早く顔が知られていた彼だ。韓国では、日本の大衆文化開放が本格化した2000年に映画『鉄道員』が公開されて明確な印象を残した。浅田次郎の短編小説が原作のこの映画で、彼は生涯田舎駅を守ってきた鉄道員として登場する。黙々と自らすべきことをするのに生後2カ月になる娘が亡くなった時も数年後に妻が亡くなった時も、そのそばを見守ることができなかったバカ正直な男だ。仕事をしていた駅までがまもなく閉鎖される予定のこの孤独な男の人生を、映画は17年前に亡くなった娘が立派に育った姿で現れるファンタジーを通して慰める。仕事が全てという単調な人生で劇的な感動を見せたこの映画の情緒は、韓国でもかなり大きな反響を得た。

おそらく今の韓国の観客たち、特に若い世代にはこの映画の主人公が生涯1つの職場で仕事をしていたことからして一種のファンタジーとして見る可能性が大きい。それだけ安定した職を見つけることが、いや職を見つけること自体が容易ではない。最近政府が雇用補助指標に新しく出した失業率は10.1%にもなる。これまでの失業率とあまりにも格差が大きく議論がないわけではないが、全体失業率が3%台で集計された従来の統計でも20代の失業率は8~9%に達してもいた。たとえ就職しても正規職という保障はない。今年8月の最新の統計によれば非正規職は何と607万人、全体賃金労働者の32%に達する。事情がこれだから、学校を卒業してすぐに正規職として社会生活を始めるならば、それこそ家の慶事だ。

それでも就職が「不幸の終わり、幸福の始まり」であるわけではない。大人気放映中のテレビドラマ『未生』(tvN)に見るように、大卒の隙間で1人高卒である新入社員のチャン・グレだけでなく、代理も課長も誰1人として安易に職場生活を送っている人がいない。スティーブ・ジョブズ級の途方もない仕事をするわけでもないのに、いろいろと劇的な葛藤や難関にぶちあたる。実はそれが現実だ。個人的にこのドラマを見ていると、その激しい描写に共感して日常の疲労が再び集まってくる思いまで感じたりする。


年末が近づけば大慨の会社員は人事考課という宿題で再び疲労を体験する。「引き受けたことを黙々とよくやり遂げた」で書いて出すだけでは、高い考課は受けられないかもしれない。だが「目につかない小さいことでも、1人1人の役割をベースに会社が回っていく」ということだ。ドラマの原作になったウェブ漫画『未生』の連載を終える頃、漫画家ユン・テホ氏が言った話だ。この地のすべての未生たちに、「鉄道員」で娘として登場した女優・広末涼子が鉄道員の父親に送った敬礼を送りたい。

イ・フゥナム文化スポーツ部門次長



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