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【時論】戦時作戦権転換は統一と強軍のカギだ(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
軍の作戦権を平時と戦時に区別するのは現実的に不可能だ。平時にも実際には連合司令官が作戦計画や危機管理など核心権限を行使する理由だ。戦時作戦権という言葉は無理な区分から生じた用語だ。作戦権の転換は1989年、米国議会の「ナンーワーナー(Nunn-Warner)」修正案から推進され、韓米共同の安保政策上の必要に応じて2007年に転換合意にいたった。こうした作戦権転換計画が今回、事実上の無期限延期となった。

両国大統領の委任により作戦権を行使するという形式にもかかわらず、軍統帥権者の核心要素を他国に任せているのは正常でない。しかし作戦権は主権や自尊心より国家安保の実体的な側面で見るのが望ましい。こうした観点で転換延期の理由を確かめてみる必要がある。

まず、単一指揮体系が効率的であるため、北大西洋条約機構(NATO)28カ国の軍隊も米軍が指揮統制するという主張がある。事実でない。NATO各国は軍隊の10%程度のみ迅速配置軍に配属させているだけで、残りの90%は各国が直接指揮統制する。全世界で自国の主力軍を指揮統制しない国は韓国だけだ。


2つ目、北朝鮮の核・ミサイル脅威を挙げる。米国はすべての同盟国に「拡張抑止力」という核を含む安保の傘を保障している。核の傘は米軍の作戦権行使を前提とするものではない。

3つ目、有事の際、米軍の増援を容易にするという主張だ。米軍増派は作戦権に基づくものではない。NATOや日米同盟も同じだ。

4つ目、連合司令部があってこそ国連司令部が存立し、有事の際に国連軍が来ると主張する。国連司令部に関係なく、国連がまた軍事行動をとるには中露を含む安保理の決議が必要だ。

こうした希薄な論拠のため我々は多くのことを失わなければならない。何よりも作戦権のない強軍はない。軍の存在理由である作戦は差し置いて軍需と人事に注力する限り、持続的に改革する強軍にはなれない。使用権能もない先端武器を購入するからといって強軍になるわけではない。

さらに北朝鮮政権は作戦権を持つ米国が南側を強制的に占領し、北の侵略を狙っているという名分を前に出し、体制理念と世襲独裁を維持している。局地挑発も続けている。2010年の延坪島(ヨンピョンド)砲撃当時、F-15戦闘爆撃機が北朝鮮の原点を打撃することもできたが、事態の拡散を望まない米国が拒否した。こういうことは繰り返される可能性がある。

さらに作戦権なしには北朝鮮の核問題を解決したり統一の道を開くことはできない。韓国の主導で統一する場合、米軍統制下の韓国軍が韓中の国境を守る状況を中国が受け入れるだろうか。その時になって一日で作戦権を転換するのは難しい。朝米と南北の関係を正常化し、北の核を漸進的に廃棄させる場合も、北朝鮮は作戦権を持つ米国との平和協定のみ主張し、進展が難しくなる。作戦権を持つ完全な軍事力なしには対北朝鮮関係はもちろん、統一のための周辺国外交でも力を発揮できない。



【時論】戦時作戦権転換は統一と強軍のカギだ(2)

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