まず習主席は安倍首相よりも遅く現れた。アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の主人である習主席が、客人を先に来させて待たせたのだ。安倍首相は立ったまま10秒余り、戸惑いながら待たなければならなかった。一歩遅れて現れた習主席は、安倍首相が差し出した手を握ったのだが、いら立ったように終始かたい表情だった。安倍首相が握手したまま何か挨拶の言葉をかけ、そばにいた通訳者を通そうとしたが、習主席は頭をくいっと回して写真撮影に応じた。心苦しくなった安倍首相の顔が瞬間固まった。ぎこちない雰囲気が流れた。以後メディアに公開された場面の中で2人は一度も視線を合わせなかった。習主席がやむを得ずに安倍首相に会うということを加減なく見せているようだった。まるで3月のハーグでの韓米日首脳会談当時の朴槿恵(パク・クネ)大統領と安倍首相の姿を見るようだった。
会談場所も意外だった。人民大会堂というのは格式を備えているが、日中会談は懇談会のようなものだった。通常の公式の首脳会談の場合、双方が両国の国旗が置かれたテーブルを間に置いて一列に向かい合って座って進める。普通、テーブルには花と参席者の名札が置かれる。
会談場所も意外だった。人民大会堂というのは格式を備えているが、日中会談は懇談会のようなものだった。通常の公式の首脳会談の場合、双方が両国の国旗が置かれたテーブルを間に置いて一列に向かい合って座って進める。普通、テーブルには花と参席者の名札が置かれる。
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