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IT大国の韓国、スマートウォレットで後れを取った理由とは

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
金融関連の規制が多い韓国の特殊な状況がスマートウォレット拡散に障害となっている。2000年代初めからインターネットショッピングモールブームに乗り世界でオンライン電子決済サービスが活性化したが、スマートウォレット競争では後れを取っている理由だ。

例えば韓国で電子決済に必須の公認認証書を設置するにはどの基本ソフト(OS)基盤の機器でもまず「アクティブX」などのプログラムを設置しなければならない。

これに対し、ペイパルやアリババのアリペイなどはこうしたわずらわしい手続きなしで1度のクリックとパスワード入力だけで簡単に決済できる。また、ペイパルのアカウントひとつあれば海外の多様なショッピングモールで製品を購入できる。これに対し韓国はショッピングモールごとに新たに会員に加入し、そこに公認認証書などを登録して認証を受けなければ支払いと決済ができない。最近海外通販の利用が大きく増え、利用者が大挙してペイパルアカウントを持つようになった理由だ。


韓国のIT企業は金融と産業の分離と関連した厳格な法律と電子金融関連監督規定により金融関連業務に直接進出するのは事実上不可能だ。ダウムカカオなどが都市銀行だけでなくカード会社などと組んでモバイル決済市場に参入する理由だ。

世界的にもスマートウォレット拡散に障害はある。電子決済ソリューション専門メディアのペイメンツカードアンドモバイルの最近の調査結果によるとスマートウォレット拡散の最大の障害要因は、「貨幣とクレジットカードになじんだ消費者のトレンド」だった。調査対象回答者(複数回答可能)のうち77%が既存の支払い手段として定着した利用パターンをスマートウォレット拡散の最大の障害に選んだ。

個人情報流出のようなセキュリティ問題をスマートウォレット忌避の理由に挙げた人は全体の76%だった。個人情報流出とハッキングなどが社会問題に拡散することが頻繁に起きる現実が反映された。「決済方式の乱立で混乱する」という回答者も72%に達した。同様の意見だが、「互換性のない技術標準」をスマートウォレット発展の障害に挙げた人は全体の55%だった。

スマートウォレットの本格拡散のために改善すべき点も調査された。まず「決済の容易性と速度をはじめとする利用便宜性を高めなければならない」を挙げた人は全体の97%で圧倒的に多かった。

PCバンキング中心の既存の認証方式よりスマートウォレットに適合した認証方法を開発しなければならない(87%)、メンバーシップとクーポンなど付加的な恩恵がもっと多ければ良いという回答も84%だった。

KT経営経済研究所のリュ・ソンイル研究員は報告書を通じ、「近距離無線通信(NFC)、ブルートゥース、アプリカードなど多くの決済方式と技術の乱立で消費者が混乱しているだけに技術標準を早急に確立しなければならない時期」と指摘した。

適用技術ごとに長所と短所がはっきりしているという点も標準が統一されにくい要因のひとつだ。例えば移動通信会社が主導するモバイル決済方式のNFCは不正使用やエラーが少ない代わりに加盟店が専用リーダー機を新たに設置しなければならない。追加費用が発生するという話だ。これに対し金融圏で主導しているバーコードとアプリによる決済方式は加盟店が既存のリーダー機をそのまま活用できるが、決済するたびにアプリを実行しなければならない。また、最近では関連ハッキング事故もたびたび発生するなど、相対的に安全性が落ちる。



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