「セウォル号の総責任者として沈没の原因を提供し、乗客全員が降りるまで船舶を離れてはならないという法的義務を破り、いかなる救助措置も取らず、船員と一緒に退船した。被害発生の最も直接的かつ重い責任がある」。
検察が27日、セウォル号船長のイ・ジュンソク被告(69)に殺人罪を適用し、法定最高刑の死刑を求刑した。1等航海士のカン・ウォンシク被告(42)ら乗務員3人に対しても殺人容疑で無期懲役を求刑した。
検察のこの日の求刑はある程度予想されたものだった。その間の裁判で検察は、イ船長をはじめとする船員はセウォル号が沈没すること、乗客が船内で待機している状況を知りながらも退船命令など可能な救助措置を取らず、乗客304人を死亡させる結果をもたらしたと主張してきた。乗務員としての義務を履行し、結果の発生を防げたにもかかわらず、義務を果たさずに結果が生じただけに、不作為の殺人罪の適用が可能ということだ。
「期待される特定の義務を果たさないことで犯罪を犯す」という意味の不作為犯罪においては故意性の立証がカギとなる。裁判所が不作為の殺人罪を認めた事例は少ない。それだけ法理が複雑で立証が容易でない。
1991年に甥(姪)(当時10歳)に危険な堤防の上を歩かせ、貯水池に落ちた後に救助をしなかった叔父が不作為の殺人罪で起訴され、無期懲役刑が確定した。97年には治療を中断すれば死亡が確実視される患者を退院させた家族と医者に同じ容疑が認められた。一方、326人が犠牲になった1970年の南営号沈没事故の場合、船長が殺人容疑で起訴されたが、裁判所は「事故の発生を予想して過剰積載運航をした可能性は小さい」として無罪と判断した。その代わりに業務上過失致死罪を認め、禁錮2年6月を言い渡した。
法曹界ではイ船長らの殺人容疑が認められるかどうかについて、沈没当時の状況や関係者の陳述などに対する裁判所の判断によって変わるとみている。検察の関係者は「イ船長らがセウォル号から脱出する当時、『乗客が死亡するかもしれない』と認識していたとみなければならない」と述べた。「約440人を順に退船させれば船員が後まわしになることを憂慮して先に脱出した」という点を故意性の根拠としたのだ。
この部分に対する乗務員の陳述は食い違っている。イ船長と一部の乗務員は「イ船長が退船命令を出した」と述べた。実際、放送が伝わらなくても退船命令を出したとすれば、故意性がなかったという主張が力を得る。しかし操舵手のパク・ギョンナム被告(59)は「責任を免れようと船長らが嘘をついている」と陳述をした。裁判所がイ船長らの「退船命令」主張をどう受け入れるかが殺人罪の有罪・無罪を決める可能性が高い。
裁判所が殺人罪の適用は無理だという結論を出しても、イ船長らは重刑を避けることはできないとみられる。法定最高刑が無期懲役である特定犯罪加重処罰法(逃走船舶)違反容疑を予備的に適用したからだ。
検察が27日、セウォル号船長のイ・ジュンソク被告(69)に殺人罪を適用し、法定最高刑の死刑を求刑した。1等航海士のカン・ウォンシク被告(42)ら乗務員3人に対しても殺人容疑で無期懲役を求刑した。
検察のこの日の求刑はある程度予想されたものだった。その間の裁判で検察は、イ船長をはじめとする船員はセウォル号が沈没すること、乗客が船内で待機している状況を知りながらも退船命令など可能な救助措置を取らず、乗客304人を死亡させる結果をもたらしたと主張してきた。乗務員としての義務を履行し、結果の発生を防げたにもかかわらず、義務を果たさずに結果が生じただけに、不作為の殺人罪の適用が可能ということだ。
「期待される特定の義務を果たさないことで犯罪を犯す」という意味の不作為犯罪においては故意性の立証がカギとなる。裁判所が不作為の殺人罪を認めた事例は少ない。それだけ法理が複雑で立証が容易でない。
1991年に甥(姪)(当時10歳)に危険な堤防の上を歩かせ、貯水池に落ちた後に救助をしなかった叔父が不作為の殺人罪で起訴され、無期懲役刑が確定した。97年には治療を中断すれば死亡が確実視される患者を退院させた家族と医者に同じ容疑が認められた。一方、326人が犠牲になった1970年の南営号沈没事故の場合、船長が殺人容疑で起訴されたが、裁判所は「事故の発生を予想して過剰積載運航をした可能性は小さい」として無罪と判断した。その代わりに業務上過失致死罪を認め、禁錮2年6月を言い渡した。
法曹界ではイ船長らの殺人容疑が認められるかどうかについて、沈没当時の状況や関係者の陳述などに対する裁判所の判断によって変わるとみている。検察の関係者は「イ船長らがセウォル号から脱出する当時、『乗客が死亡するかもしれない』と認識していたとみなければならない」と述べた。「約440人を順に退船させれば船員が後まわしになることを憂慮して先に脱出した」という点を故意性の根拠としたのだ。
この部分に対する乗務員の陳述は食い違っている。イ船長と一部の乗務員は「イ船長が退船命令を出した」と述べた。実際、放送が伝わらなくても退船命令を出したとすれば、故意性がなかったという主張が力を得る。しかし操舵手のパク・ギョンナム被告(59)は「責任を免れようと船長らが嘘をついている」と陳述をした。裁判所がイ船長らの「退船命令」主張をどう受け入れるかが殺人罪の有罪・無罪を決める可能性が高い。
裁判所が殺人罪の適用は無理だという結論を出しても、イ船長らは重刑を避けることはできないとみられる。法定最高刑が無期懲役である特定犯罪加重処罰法(逃走船舶)違反容疑を予備的に適用したからだ。
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