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【社説】セクハラ犯が性犯罪を裁く大韓民国軍

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
高位将校の率先垂範は軍の生命線だ。軍の規律と士気がかかった問題だ。だが、いま韓国軍は上から崩れ落ちている。第一線の師団長(少将)が部下の女性副士官にセクハラを行ない、セクハラ犯が軍事裁判長を務める前例のない事態が起きた。

陸軍17師団長がセクハラ容疑で先週末に緊急逮捕された。軍事対備態勢期間中に作戦地域を離脱し泥酔したシン・ヒョンドン1軍司令官(大将)が更迭されてから1カ月ぶりだ。しかもいま軍はユン一等兵集団殴打死亡事件とイム兵長銃器乱射事件で大々的な改革作業をしているところだ。骨を削る覚悟で軍を全面刷新しても足りない時に相次いで明るみに出ている高位指揮官の非行の前に国民は話す言葉を忘れる。よほどでなければ「大統領の口から『軍を解体せよ』という言葉が出てこないのはそれなりに幸運」という嘲弄まで出てくるだろうか。

17師団長セクハラ事件は高位指揮官の精神状態を疑わせるほどだ。師団傘下の他の部隊で勤め同じ部隊の上司からセクハラの被害に遭い師団司令部に移ってきた女性副士官を慰労するとして執務室に呼び数回セクハラしたという。被害女性を守るどころか師団長まで加わり二重の被害をもたらしたわけだ。その上師団長は部下の女性将校をセクハラで自殺に追いやった疑惑を受けていた中佐を17師団軍事裁判所の裁判長に任命したことがわかった。その中佐が担当した10件の裁判のうち3件は性犯罪事件だった。性犯罪者に性犯罪の裁判を任せた格好だ。結局その中佐はまた別の女性軍人をセクハラした容疑で6月に職務解任されて3カ月の停職処分を受けた。こうした軍隊を軍と呼べるのか疑問だ。


今回の事件は女性軍人1万人時代に見合った強力で実効的な性犯罪対策とともに軍司法体系改革の緊急性をよく示している。被害女性副士官の訴えが陸軍本部に伝えられたので良かったが、そうでなかったなら埋もれていた可能性が大きい。国防部や各軍本部が性暴行被害の情報提供を直接受けられるようにしなければならない。抗命・脱営など純粋な軍犯罪ではない一般刑事事件は民間検察と裁判所に任せる案とともに軍事裁判所裁判長の資格と要件を強化し、師団長など指揮官の減軽権を制限するなど、軍司法体系な大々的な修正も避けられないように見える。性犯罪で起訴された軍人の実刑宣告率は2009~2011年に15.2%で、同じ期間の民間性犯罪者らに対する実刑宣告率34.9%の半分にも満たなかった。性軍規違反事件が出続けるのは処罰が軽いことにも原因があるだけに軍内の性犯罪に対する処罰レベルを大幅に引き上げなければならない。

1日と置かずに起きる各種不正と非行で軍は信頼を失った。こうした軍をどのように信じ国の安全と危機を任せられるのか国民は深刻に尋ねている。特段の対策づくりはこれ以上先送りすることはできない足下の火だ。



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