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【取材日記】日本製の刃物を眺める心地悪い視線

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

刃物工場で3代目になる家業を継いでいるオノ・タケシさん(60)と娘のアヤコさん(28)。

「出張に行って買ってきた日本製品を(人々の)前で使っている。人々が講義を聞く時、包丁に集中するよりも料理や手つきに関心をもって眺めているので…」。

朝鮮王朝最後の台所・尚宮から伝授された宮中料理を再現する研究所関係者の話だ。彼は「小さなキュウリや薄い大根を切る時は、薄くて鋭利な包丁を使わなければならない」として「韓国産の包丁も、良いものが出てこなければならない」と話した。

中央日報は、韓国だけでなく海外でも好評を受けている日本の包丁を紹介した。韓国や中国市場に本格的に進出するために日本企業は国内の記者たちを初めて招待して製作過程を公開した。日本の本社職員は「キムチを切る用途で開発した」として前腕の長さほどあるはさみを見せた。はさみの刃だけを見ても、大きな白菜の葉が傷1つなく刻まれるような勢いだった。工場の片隅に、白いマスクと作業服を着た職員だけが入ることができる「無菌室」が目についた。世界市場占有率1位を記録しているという「眼球切断用ナイフ」がここから出てきた。工場職員は「老齢化で眼科手術が増えて、市場がますます大きくなっている」ともらした。100年を超える歴史を誇りながらも絶えず新しさを追求する日本企業の力を実感した。工場は日本の中心部にある岐阜県関市にある。都会から離れた不便な場所にあるが、工場には若い職員が多かった。日本企業は職員の福利厚生を充実して単純作業を簡素化し、若者を引き込んでいるといった。


記事が紹介された後、インターネットには不意に「親日」攻防が起こった。品質の良い製品が高く売れるのは消費者の選択だ。それが日本製なのかドイツ製なのかを問い詰めるのはつまらない。親日議論を離れて、現実を冷静に見つめる必要がある。韓国料理をグローバル化しようといいながらも、肝心の関連技術を度外視する文化のために、韓国で刃物を作る工場は求人さえも難しい。日本企業は「韓国の刃物生産業者を競争相手としては見ていない」と言い切った。一方、毎年2月にドイツのフランクフルトで開かれる世界刃物博覧会では、すさまじい勢いで飛び回っていた日本企業の職員たちが鮮やかに目に浮かぶ。彼らはミシュランガイドの三ツ星をもらっている世界の有名シェフのそでをつかまえて日本の包丁の長所を細かく列挙したのだ。おかげで世界の有名デパートでシェフとともに開発した刃物ブランドを、最も良く目につく空間に陳列することができた。

数多くの先祖の首を切った「倭刀の末裔」を眺める視線が心地悪いのか。使う包丁がなくて宮中料理さえこれらに任せなければならない現実のほうが、さらに心地悪い。

キム・ミンサン文化スポーツセクション部門記者



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