「これまでの成功が慢心と安逸さを生んだ」。
第3四半期のサムスン電子業績速報値発表を1日前にした6日、サムスングループ役員が打ち明けた告白だ。偶然にもこの日はサムスン電子が京畿道平沢(キョンギド・ピョンテク)の産業団地に15兆6000億ウォン(約1兆5875億円)を投資して世界最大規模の最先端半導体ラインを建設すると発表した日だ。このように天文学的な規模の投資計画を出したが実際のところサムスン電子のムードはこれまでになかったほど暗い。
過去3年間に最悪の成績表を受けたのが問題ではない。悪化した状況を反転させられるだけの劇的なカードをまだ見つけられていないからだ。こうした中、節目ごとに“危機論”を掲げバランスを取った李健熙(イ・ゴンヒ)会長まで病床に伏しており、サムスン電子社員の間では「今回が本当の危機」という話が出るほどだ。
証券業界と財界によると、7日午前に発表されるサムスン電子の第3四半期営業利益は高く見積もっても4兆ウォン台、最悪の場合には3兆ウォン台に落ちたものとみられる。 「営業利益3兆ウォン台」とは、サムスン電子が3年前の2011年第2四半期の3兆7500億ウォン水準まで後退したという意味だ。
当時はアップルのiPhoneに真っ向から勝負できる対抗馬格の「ギャラクシーS2」を発売し劇的に状況を反転させた。その後サムスン電子は昨年第3四半期に過去最大の営業利益となる10兆1600億ウォンを記録するまで1度も後退することなく快走した。スマートフォンが全営業利益の70%以上を占めサムスン電子の業績を牽引したおかげだ。だが、そこまでだった。営業利益が今年第1四半期に8兆ウォン台に下がり、第2四半期には7兆ウォン台まで落ちた。第3四半期は前四半期の半分になることも覚悟しなければならない雰囲気だ。中国の中低価格製品が浮上し、高額製品のライバルのアップルまで大画面の「iPhone6」でサムスン電子の市場を奪ってしまったためだ。
専門家らは中国の猛追撃も足を引っ張っているが、素材・部品から完成品まですべてを備えた世界唯一のIT企業という特徴と企業風土がむしろサムスン電子を慢心させるのに一役買ったと口をそろえる。特にハードウェアとは比較が困難なほど後れを取ったソフトウェア競争力と新事業領域を開拓するのにぐずぐずしていたのが最大の問題点に挙げられる。
サムスン電子出身のある国策研究院研究委員は、「サムスンがソフトウェア開発テストにも性格が全く異なるハードウェアと同じ工程を適用し自ら足を引っ張っている」と指摘した。実際にサムスンはサムスン電子がすべての製品を問題なく発売するために「製品寿命周期管理(PLM)」過程を経ている。これによりすべての製品は例外なく最長4カ月間のテストを受けている。この方式を時間が命であるソフトウェア開発でもそのまま固執したために膨大な文書作業と時間の遅れが発生するということだ。
新事業開拓の核心要素のひとつである企業買収合併(M&A)戦略も全面的な軌道修正が必要だとの指摘が出ている。サムスン電子は昨年7件、今年に入って4件のM&Aを記録した。平均で10日に1回M&Aを成功させるグーグルとは比較できないほど少ない数字だ。こうした成績は両社のM&A戦略の違いから始まる。
グーグルは技術が必要な事業部署で直接買収企業を物色した後にM&A審査を担当する部署が最終承認する。これに対しサムスン電子は主に最高財務責任者(CFO)が管轄する企業買収チームでM&A対象を探し事業部署に提示する形態だ。グーグルが「喉が渇いた人が井戸を売るようなもの」ならば、サムスンは「井戸を売った人が水を飲む人を探し歩くようなもの」だ。サムスングループ関係者は「M&Aチームで買収候補企業を物色すると事業部署では『われわれが直接できること』などという理由で拒絶するケースが多い」と話す。肥大した組織と事業部間のコミュニケーション不在を改善することも年内に終えなければならない。
ソウル大学のチョ・ドンソン名誉教授は、「サムスン電子がスマートフォンだけでなく半導体で食べていける日もいくらも残っていない。代表的なコンピュータメーカーからITコンサルティング企業に変身した米国のIBMのように既存のすべてのものを捨てる覚悟で革新しなければ生き残ることはできない」と警告している。
第3四半期のサムスン電子業績速報値発表を1日前にした6日、サムスングループ役員が打ち明けた告白だ。偶然にもこの日はサムスン電子が京畿道平沢(キョンギド・ピョンテク)の産業団地に15兆6000億ウォン(約1兆5875億円)を投資して世界最大規模の最先端半導体ラインを建設すると発表した日だ。このように天文学的な規模の投資計画を出したが実際のところサムスン電子のムードはこれまでになかったほど暗い。
過去3年間に最悪の成績表を受けたのが問題ではない。悪化した状況を反転させられるだけの劇的なカードをまだ見つけられていないからだ。こうした中、節目ごとに“危機論”を掲げバランスを取った李健熙(イ・ゴンヒ)会長まで病床に伏しており、サムスン電子社員の間では「今回が本当の危機」という話が出るほどだ。
証券業界と財界によると、7日午前に発表されるサムスン電子の第3四半期営業利益は高く見積もっても4兆ウォン台、最悪の場合には3兆ウォン台に落ちたものとみられる。 「営業利益3兆ウォン台」とは、サムスン電子が3年前の2011年第2四半期の3兆7500億ウォン水準まで後退したという意味だ。
当時はアップルのiPhoneに真っ向から勝負できる対抗馬格の「ギャラクシーS2」を発売し劇的に状況を反転させた。その後サムスン電子は昨年第3四半期に過去最大の営業利益となる10兆1600億ウォンを記録するまで1度も後退することなく快走した。スマートフォンが全営業利益の70%以上を占めサムスン電子の業績を牽引したおかげだ。だが、そこまでだった。営業利益が今年第1四半期に8兆ウォン台に下がり、第2四半期には7兆ウォン台まで落ちた。第3四半期は前四半期の半分になることも覚悟しなければならない雰囲気だ。中国の中低価格製品が浮上し、高額製品のライバルのアップルまで大画面の「iPhone6」でサムスン電子の市場を奪ってしまったためだ。
専門家らは中国の猛追撃も足を引っ張っているが、素材・部品から完成品まですべてを備えた世界唯一のIT企業という特徴と企業風土がむしろサムスン電子を慢心させるのに一役買ったと口をそろえる。特にハードウェアとは比較が困難なほど後れを取ったソフトウェア競争力と新事業領域を開拓するのにぐずぐずしていたのが最大の問題点に挙げられる。
サムスン電子出身のある国策研究院研究委員は、「サムスンがソフトウェア開発テストにも性格が全く異なるハードウェアと同じ工程を適用し自ら足を引っ張っている」と指摘した。実際にサムスンはサムスン電子がすべての製品を問題なく発売するために「製品寿命周期管理(PLM)」過程を経ている。これによりすべての製品は例外なく最長4カ月間のテストを受けている。この方式を時間が命であるソフトウェア開発でもそのまま固執したために膨大な文書作業と時間の遅れが発生するということだ。
新事業開拓の核心要素のひとつである企業買収合併(M&A)戦略も全面的な軌道修正が必要だとの指摘が出ている。サムスン電子は昨年7件、今年に入って4件のM&Aを記録した。平均で10日に1回M&Aを成功させるグーグルとは比較できないほど少ない数字だ。こうした成績は両社のM&A戦略の違いから始まる。
グーグルは技術が必要な事業部署で直接買収企業を物色した後にM&A審査を担当する部署が最終承認する。これに対しサムスン電子は主に最高財務責任者(CFO)が管轄する企業買収チームでM&A対象を探し事業部署に提示する形態だ。グーグルが「喉が渇いた人が井戸を売るようなもの」ならば、サムスンは「井戸を売った人が水を飲む人を探し歩くようなもの」だ。サムスングループ関係者は「M&Aチームで買収候補企業を物色すると事業部署では『われわれが直接できること』などという理由で拒絶するケースが多い」と話す。肥大した組織と事業部間のコミュニケーション不在を改善することも年内に終えなければならない。
ソウル大学のチョ・ドンソン名誉教授は、「サムスン電子がスマートフォンだけでなく半導体で食べていける日もいくらも残っていない。代表的なコンピュータメーカーからITコンサルティング企業に変身した米国のIBMのように既存のすべてのものを捨てる覚悟で革新しなければ生き残ることはできない」と警告している。
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