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【取材日記】美しい花火祭りに市民意識はなかった

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「停車してはいけません。乗車してください」。

4日夜、ソウル江辺(カンビョン)北路のあちこちに配置された警察官が、乗用車に向けて声の調子を高めていた。「罰金を払ってもらう可能性がある」という警告は、「危険なので出てこないでください」という呼び掛けに変わり始めた。だが警察官の言葉に耳を傾けるドライバーは探せなかった。世界花火祭りが行われた2時間、ソウルの西江(ソガン)大橋と元暁(ウォニョ)大橋の間にある江辺北路の2、3本の車道は、駐車場に変わった。

2車線の真ん中にいたトラックの貨物室内では酒宴が始まった。自動車のボンネットの上は両親とともに出てきた子供たちの観覧席になった。車を止めて望遠鏡を持ち出した人、道路周辺の草むらにゴザを敷いた人も目についた。江辺北路はもはや立ち止まって見物する水準を超え、準備物まで持ってきている「花火の観覧場所」になってしまった。


こうした状況が過去10年間余り繰り返されてきたことは「言葉だけの取り締まり」が続いたためだ。行事の前日、警察は違法駐停車を強力に取り締まると明らかにした。交通警察や牽引車を集中配備するという見えすいた脅しもつけた。だが実際の取り締まりは、まともに行われなかった。「どれぐらい取り締まったのか」と警察に尋ねたが「報告されたものがない」という返事が返ってきた。

花火祭りが終わった後には、漢江(ハンガン)公園などから出てきた市民たちが江辺北路やオリンピック大路、そして麻浦(マポ)大橋の車道に長い行列をつくるという目まいのするような場面が演出された。汝矣島(ヨイド)公園を訪れたパク氏(30)は「人波に押されて出たところ、オリンピック大路の進入路だった」と話した。

同じ時間、漢江公園は散らかったゴミでひどい状態だった。花火祭りを主催したハンファグループから600人余りの職員を動員してゴミ袋を配布してキャンペーンに乗り出したが、山積みになったゴミを食い止められなかった。コ氏(29)は「祭りが終わった後、公園から出るのにアスファルトではなくゴミの上を歩いた」と話した。人波が集まると袋に入れてきたゴミを1つ2つと捨てて行ったためだ。野次馬が出て行った江辺北路の道路周辺にもビール缶などが乱雑に散らかっていた。漢江でも安全事故が続出した。江西区(カンソグ)の麻谷(マゴク)鉄橋付近では13人が乗ったボートが転覆したが10分余りで漁船と警察巡回査察艇に救助された。

花火が空を美しく彩る中、その空の下を無秩序が支配する乱れた姿だけは外国人観光客に見せたくなかった。その大変な混雑の中で、こういう疑問を持った。市民はいるが、市民意識は消えた韓国社会の一断面ではないか。地上の秩序が確保されるならば、空の上の祭りがさらに輝いたのではなかったか。来年にも似たような場面が再演されるのではないか。今年もキラキラ輝く花火とともに、物足りなさと残念な思いが、明滅を繰り返していた。

イ・ソジュン社会部門記者



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