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【社説】南北雪解けに向け度量ある合意を成し遂げねば

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
黄炳瑞(ファン・ビョンソ)、崔竜海(チェ・リョンヘ)、金養建(キム・ヤンゴン)ら北朝鮮の実力者が4日に仁川を訪れた。アジア大会閉会式を参観する形式だが、実際には南北高位級会談に傍点を置いたとみられる。南北は4日の代表団会談で10月末~11月初めに高位級会談をすることで合意した。

一度に動くのが容易でない権力中枢部の人物がそろって来たという点で金正恩(キム・ジョンウン)の意が強く込められているとみることができる。彼らを仁川に突然送ったことだけでも北朝鮮は韓国だけでなく国際社会にも重大なメッセージを投げかけたことになる。

彼らの意図に対してはさまざまな解釈が出ているが、明らかなことはこれまで行き詰まっていた南北関係が重大な変曲点に達したという点だ。これまで金正恩は2015年の統一大戦の準備を促しながらも南北関係を改善する意向をほのめかしてきた。朴槿恵(パク・クネ)大統領もやはり北朝鮮と対話する意向を機会があるたびに明らかにしてきた。決定的な契機を見つけられなかっただけで南北ともに接点に向けて動いていたのだ。この状態で北朝鮮の実力者らの訪韓は南北の緊張解消の期待感を高めるのに十分だ。


もちろんツバメが1羽来たのを見て春が来たと断定することはできない。まず北朝鮮の真意を冷徹に確かめて対応しなければならない。瀬戸際戦術に慣れた北朝鮮を相手にしなければならない韓国は感性的統一論を警戒し常にリアリズムに立たなければならない。きのうまで対南誹謗と中傷を日常的に行ってきた北朝鮮の二重性を勘案すれば興奮は禁物だ。

韓国政府は北朝鮮の対話意志を計り段階別に対応策を講じなければならない。李明博(イ・ミョンバク)政権が取った5・24対北朝鮮制裁の修正案、金剛山(クムガンサン)観光再開の有無、ひいては韓国内の保守層に対する説得案などを綿密に研究し準備しなければならない。

北朝鮮の前に置かれた課題はさらに重大だ。韓国は消耗的な南北対立から抜け出すために北朝鮮の核廃棄を「対話の最優先前提条件」と釘を差す代わりに凍結と透明化を交流協力の出発点として対話を主導しようと主張した。韓国政府もやはり最近は柔軟な対北朝鮮政策に傍点を置く雰囲気だ。これに伴い、北朝鮮は核に対する実質的進展が込められた措置を顕著に取らなければならない。北朝鮮は特に核に関する限り米朝間の問題という立場を守っているが、韓国との議題に当然含ませなければならない。

この日北朝鮮代表団は朴槿恵大統領に会えなかったが高位級会談開催に合意したことだけでも雪解けに向けた意味ある出発だ。金寛鎮(キム・グァンジン)国家安保室長は、「秋は結実の季節」としながら「南北関係もその収穫を収めなければならなくないか」と北朝鮮側代表団に話を切り出した。南北がその収穫を収めるには今後の高位級会談などの接触が関係改善のための最後の機会という認識を共有し度量の大きい合意に至らなければならない。これに対し南北最高指導者の決断が必要なことは言うまでもない。アジア大会の聖火は4日夜に消えたが、南北対話の火種はこれから育んでいく番だ。





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