「スーパードル」が市場を揺るがしている。為替差損を懸念する外国人の売りでKOSPI(韓国総合株価指数)が2000を割り、為替・金利・原油価格の3大変数も動いている。金利は落ち、国際原油価格は急落している。「スーパードル」と「円安」の間に挟まれた韓国経済は進退両難だ。変曲点にある為替・金利・原油価格の推移と影響を分析した。
◆超高速円安の衝撃…株価は2000割れ
ドル高が進んでいる。ユーロ・円など6つの通貨に対するドルの価値を表すドルインデックスが先月30日、86ポイントを越え、4年ぶりの最高値となった。ドルインデックス数値が高まるほど主要通貨に比べてドルが上がっていることを意味する。一方、ユーロはドルに対して11週連続で値下がりした。1999年にユーロ貨幣が誕生して以来、初めてのことだ。
「スーパードル」は世界あちこちで「バタフライ効果」を起こしている。特に韓国・台湾が大きな衝撃を受けた。1日のソウル外国為替市場では前日比7.45ウォンのウォン安ドル高となる1ドル=1062.65ウォンで取引を終えた。1ドル=1060ウォン台となったのは3月末(1064.7ウォン)以来6カ月ぶりだ。KOSPIは2000を割った。崔ギョン煥(チェ・ギョンファン)経済副総理兼企画財政部長官が景気浮揚策を出し、韓国銀行(韓銀)が利下げをする前の水準に戻ったのだ。ドル高が進み、先月から外国人が国内の株式を売って抜けているからだ。ドル高は一時的な現象で終わらない場合も考えられる。米連邦準備制度理事会(FRB)が債券を買い取る方式で金融を緩和した景気浮揚策(量的緩和)は今月で終わる可能性が高い。
さらに早期利上げ論も引き続き提起されている。ともにドル高要因だ。中央日報は国内主要証券会社6社にドル高に対する見解を尋ねた。その結果、半分以上の4社(新韓・ウリィ・ハナ大投・韓国)が「スーパードル」は長期的な傾向になると予想した。ウリィ投資証券のイ・チャンモク・リサーチセンター長は「為替レートは基本的にその国の経済力を反映する。米国が世界景気の回復を主導しているのでドル高になるのは当然だ」と説明した。
国内輸出企業の立場ではドル高はマイナスではない。問題は日本円がドルに対して韓国ウォンより速いペースで値下がりしているという点にある。1日の東京外国為替市場で日本円は一時1ドル=110円まで値下がりした。このためウォン・円為替レートは100円=960ウォン台となっている。2月初め、ウォン・円レートは100円=1070ウォン台だった。7カ月間で100ウォン以上もウォン高円安が進んだということだ。サムスン証券のイ・スンフン研究員は「量的緩和をしている日本と、金融引き締めに入った米国の通貨政策の差が円安の主な要因」と分析した。日本円の動きは韓国企業の実績に直接的な影響を及ぼす。現代車・トヨタのような両国を代表する企業が世界市場で競争しているからだ。円安になれば日本企業は価格競争力の面で有利となる。
今回の質問に応じた証券会社6社のうち5社は、今年末のウォン・円為替レートを100円=930-960ウォン台と見込んでいる。サムスン証券は100円=880ウォン台までウォン高円安が進むと予想した。円安が落ち着くという見方はなかった。KDB大宇証券のソ・テイル首席研究員は「来年末には1ドル=120円まで円安ドル高が進む可能性がある」と予測した。円安が進んでいた昨年末、1ドル=105円だった。日本と競争する韓国企業はますます厳しい状況となっている。
しかし韓国がこうした為替の動きをうまく乗り越えていくという分析もある。大信証券のオ・スンフン投資戦略チーム長は「昨年の米国の量的緩和縮小(テーパリング)以降、新興国の株価は大きく落ちたが、韓国をはじめ、マレーシア、台湾、インド、ポーランドは善戦した。ほとんど外貨準備高が豊富で経常収支が黒字の国だった」と話した。また「今回も韓国のように相対的にドル高にそれほど敏感でなく、米国の緊縮政策に耐えられる中リスク・中リターン国の差別的な魅力が浮き彫りになっている」と話した。
政府は対策の準備に動いた。検討できるのは低金利外貨貸出や政策資金支援の拡大だ。しかし韓国政府が円安の流れを直接変えるのには限界がある。円安活用論が出てくるのもこうした理由からだ。崔ギョン煥副総理は先月30日、企業家との懇談会で「円安のため輸出企業が厳しいが、資機材価格が安くなったため、設備投資拡大などの機会として活用することを考える必要がある」と述べた。
「スーパードル」の逆襲…揺れ動く為替・原油・金利=韓国(2)
◆超高速円安の衝撃…株価は2000割れ
ドル高が進んでいる。ユーロ・円など6つの通貨に対するドルの価値を表すドルインデックスが先月30日、86ポイントを越え、4年ぶりの最高値となった。ドルインデックス数値が高まるほど主要通貨に比べてドルが上がっていることを意味する。一方、ユーロはドルに対して11週連続で値下がりした。1999年にユーロ貨幣が誕生して以来、初めてのことだ。
「スーパードル」は世界あちこちで「バタフライ効果」を起こしている。特に韓国・台湾が大きな衝撃を受けた。1日のソウル外国為替市場では前日比7.45ウォンのウォン安ドル高となる1ドル=1062.65ウォンで取引を終えた。1ドル=1060ウォン台となったのは3月末(1064.7ウォン)以来6カ月ぶりだ。KOSPIは2000を割った。崔ギョン煥(チェ・ギョンファン)経済副総理兼企画財政部長官が景気浮揚策を出し、韓国銀行(韓銀)が利下げをする前の水準に戻ったのだ。ドル高が進み、先月から外国人が国内の株式を売って抜けているからだ。ドル高は一時的な現象で終わらない場合も考えられる。米連邦準備制度理事会(FRB)が債券を買い取る方式で金融を緩和した景気浮揚策(量的緩和)は今月で終わる可能性が高い。
さらに早期利上げ論も引き続き提起されている。ともにドル高要因だ。中央日報は国内主要証券会社6社にドル高に対する見解を尋ねた。その結果、半分以上の4社(新韓・ウリィ・ハナ大投・韓国)が「スーパードル」は長期的な傾向になると予想した。ウリィ投資証券のイ・チャンモク・リサーチセンター長は「為替レートは基本的にその国の経済力を反映する。米国が世界景気の回復を主導しているのでドル高になるのは当然だ」と説明した。
国内輸出企業の立場ではドル高はマイナスではない。問題は日本円がドルに対して韓国ウォンより速いペースで値下がりしているという点にある。1日の東京外国為替市場で日本円は一時1ドル=110円まで値下がりした。このためウォン・円為替レートは100円=960ウォン台となっている。2月初め、ウォン・円レートは100円=1070ウォン台だった。7カ月間で100ウォン以上もウォン高円安が進んだということだ。サムスン証券のイ・スンフン研究員は「量的緩和をしている日本と、金融引き締めに入った米国の通貨政策の差が円安の主な要因」と分析した。日本円の動きは韓国企業の実績に直接的な影響を及ぼす。現代車・トヨタのような両国を代表する企業が世界市場で競争しているからだ。円安になれば日本企業は価格競争力の面で有利となる。
今回の質問に応じた証券会社6社のうち5社は、今年末のウォン・円為替レートを100円=930-960ウォン台と見込んでいる。サムスン証券は100円=880ウォン台までウォン高円安が進むと予想した。円安が落ち着くという見方はなかった。KDB大宇証券のソ・テイル首席研究員は「来年末には1ドル=120円まで円安ドル高が進む可能性がある」と予測した。円安が進んでいた昨年末、1ドル=105円だった。日本と競争する韓国企業はますます厳しい状況となっている。
しかし韓国がこうした為替の動きをうまく乗り越えていくという分析もある。大信証券のオ・スンフン投資戦略チーム長は「昨年の米国の量的緩和縮小(テーパリング)以降、新興国の株価は大きく落ちたが、韓国をはじめ、マレーシア、台湾、インド、ポーランドは善戦した。ほとんど外貨準備高が豊富で経常収支が黒字の国だった」と話した。また「今回も韓国のように相対的にドル高にそれほど敏感でなく、米国の緊縮政策に耐えられる中リスク・中リターン国の差別的な魅力が浮き彫りになっている」と話した。
政府は対策の準備に動いた。検討できるのは低金利外貨貸出や政策資金支援の拡大だ。しかし韓国政府が円安の流れを直接変えるのには限界がある。円安活用論が出てくるのもこうした理由からだ。崔ギョン煥副総理は先月30日、企業家との懇談会で「円安のため輸出企業が厳しいが、資機材価格が安くなったため、設備投資拡大などの機会として活用することを考える必要がある」と述べた。
「スーパードル」の逆襲…揺れ動く為替・原油・金利=韓国(2)
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