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【コラム】畳の下から取り出した「公開謝罪」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
日本の伝統家屋には畳の部屋がある。わらで編んだ床板にいぐさのゴザをかぶせた畳は、高温多湿な夏の湿気除去と通風に効果的だ。畳は何かを隠す時も役に立つ。これを遠回しに日本では「過ちを打ち明けて認めるのが難しければ、畳の下に素早く入れ込む方がましだ」という言葉がある。特に集団全体の体面がかかった場合、より一層そうだ。

だが畳の下にこれ以上隠せないと判断されれば果敢になる。退く所がない時、大衆の前に立って頭を90度以上、下げる。涙まで流せば、はるかに感動的だ。1997年11月、日本の4大証券会社の1つである山一証券が破産した。最高経営者は記者会見場で、涙声で話した。「すべては私の責任です。社員が再就職できるよう助けてください」。劇的な公開謝罪は、日本人たちの心を揺さぶった。社員はほとんどが新しい職を得た。誤ちも一定部分は覆い隠された。

最近、東京電力が福島原発事故後に自殺した主婦の遺族に謝罪した。事前予告までして日本のメディアはこれを詳細に扱った。原子力補償相談室長はひざまずいて頭を下げた。「心より深くおわび申し上げます。本当に申し訳ありませんでした」。声は震え、目元は揺れた。翌日、取材のために東京電力本社を訪れた。広報部の職員は「公開謝罪記事をよく書いてほしい」と頼んだ。誤りを認めたので、これ以上批判するなという内心が感じられた。


渡辺はま子さん(当時58歳)は2011年7月に焼身自殺した。原発事故から4カ月間の避難生活をしてうつ病になった。少しの間、福島の自宅に立ち寄った時「避難所にはまた行きたくない」と夫に話したのが遺言になった。自殺の責任をめぐって2年以上、訴訟が続いた。東京電力は「自殺の理由が明からでない」「心理的にとても弱かったのではないか」として自殺と原発事故の因果関係を強く否定した。しかし福島地方裁判所は先月、遺族の手を上げた。

直ちに控訴すると予想された東京電力は2週間後、立場を変えた。「早期に訴訟を終わらせることにした」として突然公開謝罪した。あふれる批判と山積した課題、相次ぐ訴訟の出口戦略と分析された。漁師は原子力発電所の汚染水の海洋排出に反発しており、事故収拾に参加した原発労働者たちは未払い賃金と危険手当を支給せよとして訴訟を提起した状態だ。

日本人たちの公開謝罪は、時には新鮮だ。大変なことがさく烈しても誰一人として責任を負おうとする人がいない韓国の現実と比べると、うらやましい。しかし持ちこたえる時まで持ちこたえて、やむを得ずに畳の下から取り出す詐欺式の公開謝罪は不都合で不快だ。この前、日本の文化関連の本で「謝罪は自分の罪を認めるのではない。非難する者の口をふさぐ措置に過ぎない」という文を読んだ。93年の河野談話を通じて慰安婦被害者女性に公開謝罪した日本政府が、このごろ強制動員の事実を再び否定してとんでもないことを言っているのを見ると、ぴったり合う内容だ。

イ・ジョンホン東京特派員



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