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【コラム】経済学者ピケティ、韓国の選択を尋ねる(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「この頃、韓国の経済学者がすることは経済学というよりは数学により近い」。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の青瓦台(チョンワデ、大統領府)政策室長をつとめた経済学者のイ・ジョンウ慶北(キョンブク)大学教授の批判だ。振り返ってみると大学時期に専攻した経済学講義は、要するに「数学との戦争」だった。経済学者は今でも変わりなく数学の領土で自らの帝国を建設しているのだろうか。

この教授の苦言は、トマ・ピケティ(Thomas Piketty)パリ経済学校教授から出たものだ。彼は15年間で何と300年間にわたる西欧資本主義国家の所得と富の資料を収集して分析した後、『21世紀の資本論』を書いて出した。歴史と政治、文学的な想像力を総動員した。ジェーン・オースティン、オノレ・ド・バルザック、マーガレット・ミッチェルの小説やテレビドラマまで引用した。重要な現実問題を無視して数学的・抽象的問題だけに没頭している経済学界の風土に警鐘を鳴らしたのが、この教授の指摘だ。

ピケティ教授は、資本収益率は経済成長率よりも高く、資本家はより多くの所得を持つようになって所得不平等は悪化するという結論を下した。こうした「世襲資本主義(patrimonial capitalism)」を正すために上位1%の高所得層に80%の累進所得税を払わせ、各国が富裕層の資産に最高10%のグローバル富裕税を賦課しようと提案した。このお金で貧しい人の所得を増やし、福祉に使おうということだ。過激に聞こえるが、民主的統制を通じて資本主義を保存しようという点において資本主義を破壊しようというマルクスとは立場が完全に違う。


ピケティ教授が提示した100万ユーロ以上の所得者に対する75%の所得税賦課は、フランス社会党のオランド候補が2012年の大統領選挙の公約として掲げて当選した。彼は今年4月、米国を訪問して財務長官と面談し、大統領経済政策諮問委員会とIMFで講演した。オバマ大統領が苦心する租税改革を通した所得再分配に入れ知恵をした。今年40歳になるピケティ教授の人気は全盛期のビートルズに負けないほどだ。英国の保守派の経済週刊誌エコノミストは彼を「マルクスよりも大きい(Bigger than Marx)」と評価した。彼は2日後、韓国に来る。汗を流して稼ぐよりも父親によく会ってこそ良い暮らしができる世襲資本主義を正すために富裕層に税金爆弾を浴びせようという彼のメッセージは、決裂した論争の代償だ。



【コラム】経済学者ピケティ、韓国の選択を尋ねる(2)

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