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【コラム】悪魔化の危険…米国、北朝鮮とまずは対話すべき(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
米中央情報局(CIA)韓国支部長と駐韓米大使をつとめたドナルド・グレッグ氏(86)が書いた回顧録を読んだ。今年4月にニューヨーク州にある彼の自宅でインタビューをしたのが縁で回顧録が出るとすぐに1冊送ってくれた。CIA要員や外交官、またホワイトハウス政策担当者として40年以上公職にいながら経験した仕事を個人的エピソードと所感をうまく交えていた。いつも光を放つ彼のユーモアセンスのおかげで330ページの本をまるで小説のように気楽に読めた。

グレッグ氏は国家のために奉職して過ぎ去った歳月を振り返り、後世に伝える教訓を回顧録の最後に入れた。「悪魔化の危険(Dangers of Demonization)」というものだ。彼がしたい話の核心といえる。彼は「私が観察したり直接参加したりした米対外政策の多様なパターンを見回す時、1つ明らかな点は私たちが嫌いだったりよく分からなかったりする外国指導者や団体を悪魔化する傾向があって、そのたびに米国は問題に直面することになるという点」と話す。相手に対する無知の間隙を偏見で埋めることになれば扇動が紛争を触発して、その結果は皆にとって損害だというものだ。

ベトナム戦争当時CIA要員として現地で活動した彼は、米国がベトナムの独立の英雄であるホーチミンを正しく理解していたらベトナム戦争は十分に避けられる悲劇だったと主張する。ホーチミンは米国に対して深い好感を持っていたし、特に米国憲法を制定したトーマス・ジェファーソンの熱烈な崇拝者だったという。実際にホーチミンは第2次世界大戦が終わった後、米国に何度も手を差し出した。ハリー・トルーマン大統領にベトナムの独立さえ認めれば米国と友好関係を結ぶことができるという親書まで送ったが、米国はこれを握りつぶした。1972年に親書が秘密解除されるまでそんなことがあったという事実さえ隠した。


特にベトナムを北朝鮮と同一視したことは米国の決定的失敗だったとグレッグ氏は回顧する。両国は中国との関係で決定的な差があった。毛沢東は金日成(キム・イルソン)に対しては全幅的な支持を送った一方で、ホーチミンに対してはそうではなかった。ホーチミンの唯一の目的は独立と統一であったのに、米国はベトナムを中国の駒とみて、ベトナムが共産化されれば東南アジア全体が共産化されるという「ドミノ理論」にとらわれて、しなくても済んだ戦争をしたということだ。



【コラム】悪魔化の危険…米国、北朝鮮とまずは対話すべき(2)

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