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シェールガス効果…米国原油、41年ぶり韓国へ

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
石油業界の視線が全羅南道麗水に向いている。11日午前に麗水港に到着する原油輸送船「BWザンベシ」のためだ。米テキサスで生産されたコンデンセート(超軽質原油)40万バレルを積んだ船だ。数値で見るとGSカルテックスの一日の精製能力(77万5000バレル)の半分をわずかに超える量だが、産業界はもちろん、海外でも関心が大きい。41年ぶりに米国から輸入された最初の未精製油であるからだ。

業界では今回の初輸入を米国の石油需給環境の変化による結果とみている。1973年のアラブ国家による「対米国石油禁輸」措置後、米国政府は原油の輸出を厳格に制限してきた。しかし「シェールガス革命」を受けて米国内で石油がだぶつき、事情が変わった。米商務省は7月、揮発油・軽油など精製油と同じくコンデンセートに対しても「製品」という理由で輸出を許可した。GSカルテックスが輸入したのもその一部だ。

イ・サンフンGSカルテックス広報チーム長は「契約条件のため価格については話せないが、運送費などをすべて含めても中東産より安い」と述べた。石油専門家は、米国産コンデンセート輸入の道が開かれれば、石油業界の慢性的な問題だった「中東依存」によるリスクも多少低下するとみている。2012年の「イラン発リスク」に続き、今年も上半期にスンニー派武装団体「イスラム国(IS)」の勢力拡大で情勢が不安定になっている。最近、米国人記者を殺害するなど残忍な姿を誇示しているISは、イラク地域の石油需給の最大不安要素だ。


SKイノベーションはアフリカに目を向けた。SKイノベーションは今年上半期、リビア・コンゴなどから1100万バレルを輸入した。アフリカ産の輸入比率は今年7%と、例年(2%)の3倍を超える。これは全体導入量の7-8%を占めるイランリスクへの対策と解釈される。SKは原油の中東依存度が72.1%と最も低いレベルだが、イラン依存度は高いほうだ。昨年末に米・イラン核交渉が妥結したが、いつ両国がまた対立するか分からない。現代オイルバンクも輸入量の7、8%がイラン産だ。イラン産はサウジアラビア産に比べ1バレルあたり2、3ドル安い。

一方、これまで価格が高いという理由で輸入が少なかった北海産ブレンド油も人気を呼んでいる。韓国・欧州連合(EU)自由貿易協定(FTA)発効で原油の関税(3%)が撤廃され、海運の運賃が下落したからだ。

エスオイルは上半期の導入量の2.8%である300万バレルが欧州産。同社は全体輸入量の88.6%を親企業サウジアラムコから20年長期契約で導入し、余裕があるほうだが、収益性強化のためにFTA制度を活用した。現代オイルバンクも昨年、東南アジア・南米などから原油を導入し、費用100億ウォン(約10億円)を削減した。今年前半期には業界で唯一、製油部門で黒字を出した。

石油協会のパク・ジノ・チーム長は「輸入先の多角化は安定的に安い原油を輸入するための努力の一環」とし「今後も製油会社の導入費・材料費を抑えるために新しい輸入先を探していく」と述べた。

◆コンデンセート=天然ガスを採取する時に同時に抽出される液状炭化水素。ペットボトルの原料パラキシレン(PX)をはじめ、揮発油・軽油などを生産できる。



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