単なる言語遊びや言葉尻をとらえる姿として映るかもしれない。最近、「非正常の正常化」という言葉がよく別の意味で言われる。この言葉は昨年から朴槿恵(パク・クネ)大統領がよく使い、今年の大統領の新年の演説では、経済再生、国家安保とともに国政目標の一つに格上げされた。その言葉通り、社会各分野の正常でないことを正常に戻そう、変えてみようという意味だ。英語の単語を使えば、アブノーマル(abnormal)をノーマル(normal)化しようということだろう。
意地悪な皮肉はここから始まる。大統領が話す意味ではなく、「非正常な状態が深まり長く続いたため、それ自体が正常であるかのように感じられる」状況として「非正常の正常化」と解釈することもできるからだ。いわば「非正常の固定化・日常化」であり、正常と非正常の入れ替わり現象だ。実際、最近のように“ありえないこと”が頻発したことがあっただろうか。
ソウル松坡区だけと思われたが、全国各地がシンクホール(sinkhole)のために騒々しい。殴打で死亡するまでユン一等兵が受けた残酷な過程は、徴兵制度自体に対する会議まで招いた。警察がブラックボックスの映像の一部を公開した、昌原市の市内バスが乗客を乗せたまま水没する最後の場面を見て身震いしない人がいるだろうか。数多くの電柱が感電事故の危険があるまま放置されているという話もあった。心の病が明らかな50代の検事長が映った防犯カメラ映像も正常とはほど遠い。海南の田畑を数日間襲った数億匹のバッタの群れから、エジプトを襲った旧約聖書のバッタを思い出さざるをえない。これらすべてのことが急速に伝えられて広がり、韓国社会ではあたかも非正常な状態が正常であるかのように感じられるようにした。
経済学者はもはや以前の正常が正常ではないという点を看破したようだ。ニューノーマル(new normal)、すなわち「新しい正常」という新造語が出てきてからすでに数年経過した。先進国を中心に低成長・低所得・低収益率などの現象が日常化し、新たな正常ないし標準に浮上したということだ。ニューノーマルに加え、「ニューアブノーマル(new abnormal)」という造語まで登場するのを見ると、今は乱世ということもできそうだ。しかし、しかしだ。今が非正常が正常の扱いを受ける時代なら、果たして過去は正常だったということか。昔は正常に動いていたものが最近になって突然ひっくり返ってこじれ、錯綜状態に変わったと見るべきなのか。太陽の下に新しいものはなく、昨日があって今日があるというのに、そういうことはないと信じる。
【コラム】正常になった非正常=韓国(2)
意地悪な皮肉はここから始まる。大統領が話す意味ではなく、「非正常な状態が深まり長く続いたため、それ自体が正常であるかのように感じられる」状況として「非正常の正常化」と解釈することもできるからだ。いわば「非正常の固定化・日常化」であり、正常と非正常の入れ替わり現象だ。実際、最近のように“ありえないこと”が頻発したことがあっただろうか。
ソウル松坡区だけと思われたが、全国各地がシンクホール(sinkhole)のために騒々しい。殴打で死亡するまでユン一等兵が受けた残酷な過程は、徴兵制度自体に対する会議まで招いた。警察がブラックボックスの映像の一部を公開した、昌原市の市内バスが乗客を乗せたまま水没する最後の場面を見て身震いしない人がいるだろうか。数多くの電柱が感電事故の危険があるまま放置されているという話もあった。心の病が明らかな50代の検事長が映った防犯カメラ映像も正常とはほど遠い。海南の田畑を数日間襲った数億匹のバッタの群れから、エジプトを襲った旧約聖書のバッタを思い出さざるをえない。これらすべてのことが急速に伝えられて広がり、韓国社会ではあたかも非正常な状態が正常であるかのように感じられるようにした。
経済学者はもはや以前の正常が正常ではないという点を看破したようだ。ニューノーマル(new normal)、すなわち「新しい正常」という新造語が出てきてからすでに数年経過した。先進国を中心に低成長・低所得・低収益率などの現象が日常化し、新たな正常ないし標準に浮上したということだ。ニューノーマルに加え、「ニューアブノーマル(new abnormal)」という造語まで登場するのを見ると、今は乱世ということもできそうだ。しかし、しかしだ。今が非正常が正常の扱いを受ける時代なら、果たして過去は正常だったということか。昔は正常に動いていたものが最近になって突然ひっくり返ってこじれ、錯綜状態に変わったと見るべきなのか。太陽の下に新しいものはなく、昨日があって今日があるというのに、そういうことはないと信じる。
【コラム】正常になった非正常=韓国(2)
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