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【時論】遺族の知恵、セウォル号政局の解決もできる(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
秋夕(チュソク、中秋)が近づく。その前にぎっしりと詰まった政局が解けてセウォル号惨事真相究明の道がパッと開けたら良いと思う。遺族の犠牲と苦痛が流失せずに安全な大韓民国をつくる貴重なエネルギーに発展することを願う。そうするならば何よりも朴槿恵(パク・クネ)大統領の前向きな姿勢が必要であり、政権与党の責任意識、野党の忠実な民意の代弁が重要だ。しかし現在は政局解決法のカギを遺族が握る状況になった。これに対し遺族の知恵を検討してみようと思う。

まず遺族を眺める視線が複雑に絡まっている。小枝を取り除いて核心を堅持しながら、柔軟性を発揮すべき時だ。遺族のそばに多数の国民がいる。一緒に泣き、一緒に苦痛を体感した数多くの国民がいる。遺族は彼らとともに行かなければならない。2つを分離させようとする工作と陰湿な攻撃が猛威を振るっている。そのために知恵が要求される。

まず目的と手段を混同するのをやめよう。調査委の捜査権と起訴権が問題の核心のように議論されているが、事実は真相究明にある。真相究明の目的のために捜査権と起訴権の手段が確保されなければならないという主張は、私たちの現実で正しい。これを支持する国民も少なくない。しかしここに執着すれば法理争いが出てきて結局は力の争いに転落する。そのために真相究明の価値(目的)だけを擁護して、このために最適な手段(法と制度)は政界の責任で処理すればどうだろうかと思う。


遺族がまるで政界の合意を拒否し続ける権力を持ったように見えるのは得策ではない。ただし政界が提示する手段で真相究明を正しくできるのかは、遺族が単独で決めずに国民の判断を尋ねる手続きを踏んだら良いだろう。公正な標本調査で国民の意思を比較的はやくに検証できる高級な能力を私たちはすでに確保している。このように緩やかになれば真実の糾明を求める国民の声がさらに確かに集まることもできる。

2番目、セウォル号真相究明の2つの経路を分化させれば良いだろう。1つは関連者の捜査と起訴に向かう司法過程だ。この過程の主役は法曹人だ。もう1つは司法過程を聴取して監視する公論活動だ。新聞、放送、言論人が通常は主役だ。しかし近ごろは単純な代議民主主義や路上闘争の民主主義を超えて争点によって問題を細かく追跡する「市民検証民主主義(monitory democracy)」が花を咲かせている。遺族がここに着眼することをすすめたい。出発点は欲ばりすぎのように見える恐れのある欲望を自制することだ。

すなわち司法手続きは専門家に任せるものの、これを監視する役割を忠実に遂行するために仮称「セウォル号惨事真相究明遺族国民検証委員会」のような公的機構の一時的な法制化を要求できる。この機構の公的地位と権威を確保するために、遺族が推薦する要人を国会や大統領が委員会の場に任命する手続きを踏むようにできる。すると牽制とバランス、専門家と市民の躍動的な関係が大きな関心を引くだろう。民主主義の生きた教育の場になることができる。



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